■村上瑠璃甫 ままこのしりぬぐひ 10句 ≫読む 第907号 2024年9月8日
2024-12-01
箱森裕美【週俳9月10月の俳句を読む】わずかにざわつく
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2024-04-21
箱森裕美【週俳3月の俳句を読む】ノーモーションで
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2023-12-10
箱森裕美【句集を読む】「土筆の範囲」をはみ出して 岡田由季句集『中くらゐの町』を読む
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2023-12-03
箱森裕美【週俳3月~8月の俳句を読む】それぞれの孤独
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2020-12-20
箱森裕美 天から手 10句
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天から手 箱森裕美
螺子工場歯車工場石蕗の花
山眠るクッキーの真ん中にジャム
水鳥を指す利き腕の重たさよ
北塞ぎ聞き耳ばかりたててゐる
柿紅葉握るや電車降りぬまま
丼と丼の間の枯野かな
長靴のずぼずぼと来て大根引く
冬薔薇ドールハウスの天から手
毛布くるまり海底となるこころ
煮凝りの中に眠たき王都かな
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2020-03-15
【週俳1月2月の俳句を読む】前田凪子「新都心」を読む 箱森裕美
【週俳1月2月の俳句を読む】
前田凪子「新都心」を読む
箱森裕美
春浅き谷を行き交う新都心 前田凪子(以下同)
駅を降りるたびに「未来都市」という単語がつい浮かんでしまうさいたま新都心。駅、さいたまスーパーアリーナ、合同庁舎やショッピングモールなどさまざまな施設がペデストリアンデッキにより行き来可能になっているこの地形を「谷」としたのが非常に言い得て妙だ。単語そのものの効果で、山に囲まれた自然の谷も自然に浮かび上がる。ふたつの景色がオーバーラップする。
春埃ためてみているビスコ缶
長期保存できるビスコの缶。数年前に購入してからずっと部屋の端に置かれていて、ほかの家具や小物ともはや一体化している。家の者にはもう存在を意識されなくなってしまっているほどに静かだ。
積み重なっているのは何度目の「春の埃」なのだろうか。そしてこのあとも積もり続けるのだろうか。
蟇出でよ閉じては開くブラウザー
開いて、閉じて、開いて、閉じて。繰り返すうちにぼんやりと現れる蟇。魔法陣や杖などを用いて行われていた召喚術は、現代はこんなふうに形を変えているのかもしれない。
雲に入るホワイトボードたち鳥たち
鳥たちに混ざって突如出現するホワイトボードの群にひるんでしまうが、妙に納得感がある。自分たちも鳥の一種だと思っているのだろう。ゆっくりと大きく翼を動かしそうだ。
立春の両手でふれる窓ガラス
窓ガラスはほぼ毎日無意識に目にはするが、触れることはなかなかないように思う。しかも両手で。手で触れることにより感じる、春になりたての冷たさ。自分がいる側とその外側との境界。
クリップひとつかみ放り投げ焼野
たまたまポケットに入っていたひとつ、というならまだしも、ひとつかみ分、もしくはそれ以上のクリップを焼野に持ち込んでいるその状況が面白い。
第665号 2019年1月19日
■山本真也
マジカル・ミステリー・ジャパン・ツアー 10句 ≫読む
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2019-06-09
【週俳5月の俳句を読む】なんとなしに 箱森裕美
【週俳5月の俳句を読む】
なんとなしに
箱森裕美
藤棚にひろがる食べられないぶどう うにがわえりも
春の終わり、暑さも感じる日も増えてくる辺りに藤の花は咲く。大棚から一斉に垂れ下がるようすは圧巻で、こちらを沈黙させるインパクトがある。掲句はその藤の花一房一房を、「食べられないぶどう」と表現したのだろう。確かに色もかたちも似ている。おさなごのように、とも言える素直な目線と表現が、おかしみを生み出している。
しかしこれ、本当に「食べられないぶどう」が広がっている可能性もある。
造花を土に直接挿したり、目立たないような植物に括りつけたりして、一年中花が咲いているものを時々見かけるが、もしかしたらそのような感じで、本当に偽物のぶどうがところどころに付けられていると読んでも面白い。
フローリングなめらかマイケルジャクソン忌 うにがわえりも
マイケル・ジャクソンが突然この世を去ったのは2009年6月25日だ。あらためて、もう10年も経とうとしていることに驚いてしまった。2009年、立て続けにミュージシャンが亡くなってしまった年だった。
そういえば今日は、と、なんとなしにマイケルの代名詞ともいえるムーンウォークを試みたのだろう。6月25日であればまだまだ梅雨は明けずに、気温も湿度も高くじっとりしている。フローリングの床もべたついているはずだ。ただこの日はどことなく空気も乾いている気がする。床も引っかかりを感じさせず足がスムーズにすべる気がする。
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