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2013-01-20

創刊の頃 西原天気

創刊の頃

西原天気



たった4名の書き手で始まったのですね。

と、これは「創刊準備号」を懐かしく眺めてみての感慨。

中嶋憲武さんのエッセイと俳句総合誌3誌のレビュー、それに「後記」。

ボリュームの小さな準備号ですが、読み返してみると、この号ですでに私がイメージした「週刊俳句」が実現されていて、そののち300の号を重ねた現在も、その実現が持続されている感じがあります。楽観に過ぎるかもしれず、手前味噌の謗りを免れないとしても、それが実感。

創刊準備号の「後記」は、生硬な部分が目立ち、これがずっと残るのはちょっと恥ずかしいのですが、まさかいまさら変えるわけにはいかない。記念すべき第一歩が、幼稚ではあっても、わかりやすく文章化されているともいえます。

始めてみればわかること、続けてみてわかることがあるでしょう。どうなるかわからない、何が起こるかわからないから、はじめたのですから。
この部分は正直な気持ちだったのでしょう。結果が予測できるなら、始めてもしかたがない。

で、現在、第300号を迎え、週刊俳句はどうなったか、何が起こったか。読者のみなさんや運営の人たちそれぞれに別の把握や感想があるはずですが、私自身は、じゅうぶんに愉しいし、悪くないな、といったところです。

 

創刊号の「後記」も私が書いています。
理念とか謳ったり、も、ない。
「理念」を掲げないことは、週刊俳句の大きな特徴かもしれません。
理念はしばしば排外・排他のためにあったり、自己満足の道具に使われたりするから、あんまり信じてません。それに、大声で叫ばないと理念が伝わらないというのも情けない話じゃないですか。
このあたりは、(思いきって言ってしまえば)矜持ですね。

これからも「理念」なんていう暑苦しいものとは無縁に、行くんじゃないでしょうか。

 

楽屋話もサービスします(どこかですでに話したかもしれませんが)。

創刊の準備を進めるなか、「名前」を決めるという手順がありました。たしか、クローズドの掲示板で、上田信治さんを含めた何人かで案を出し合いました。

よく憶えていないのですが、「俳句エッグ」といった、「短歌ヴァーサス」を意識したようなものも出て、あるいは「俳句新聞はどう?」「ぎょっ! 日刊ですか?」といったやりとりもあって、結局、週に1回だから「週刊俳句」とシンプルな方向でまとまりました。

個人的には、この誌名を見て、「月刊で『俳句』誌を発行している角川が、週刊でも出すようになったのか?」と勘違いしてくれる人が出てくることも密かに期待していましたが、そんなことは誰も思わなかったようです。

 

きわめて個人的なことも、すこし。

絵って、描きますか? 私は小さい頃に描いたっきり、まるで描きません。紙の端にいたずら描きさえ、しません。ところが、何を思ったか、週俳の初期の頃、自分の絵を掲載しています。

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/05/1.html
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/05/2_4394.html
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/05/3_9926.html

鉛筆、灰皿、手帳、どれも「ペイント」というウィンドウズPCに最初から入っているアプリケーションでマウスを使って描きました。慣れていないから、線がゴキゴキしています。自分ではおもしろい作業だったのですが、3つだけで終わったのは飽きてしまったからです。

飽きっぽい性格なのに、第300号まで続いた週刊俳句に相変わらず携わっているのは、歴代・現役の運営者、それに執筆者、読者のみなさんのおかげです。

 

あ、さっき、理念はないと書きましたが、この手のもの、つまりウェブマガジンのたぐいは、運営者の「在り方」がそのまま誌面に反映します。運営に携わった山口優夢、生駒大佑、いま携わっている村越敦、村田篠、上田信治。ミーティングするわけでもなく、編集方針について討議するわけでもなく、週刊俳句がある一定の雰囲気や質を維持しながら続いてきたのは、不思議といえば不思議ですが、それは彼らの「在り方」が素晴らしかったから、すこし抑えていえば、彼らの資質がこの週俳とフィットしたからです。

 

歴代、若い人(学生さん)に運営に加わってもらうというのも、週俳の「伝統」として定着してきました。

卒業して就職したら、週俳からいったん離れてもらうというのも決まりです。俳句などにうつつを抜かしていないで、新しい環境のなかで、新しい仕事、新しい取り組みに全力を注いでもらいたいという私たち年寄り運営者の「親心」です。俳句は逃げていきません。何年、何十年経っても待っていてくれますから、「最初くらいは、めいっぱい、仕事、せえよ」といったところです。

山口優夢君、生駒大佑君は、大丈夫でしょうか?

大丈夫だと思います。

 

これ、キリがないです。たらたらっと、こういう話、飲み屋で親しい人に話すような話なら、いつまででも書いていられるのですが、そうも行かない。

また何か思いついたら、ウラハイにでも書きます。

 

これからのことも少し。

運営している私たちが楽しく続けらればいいな、と思います。希望は、それだけ。

こちらが楽しくなければ、覗く人も楽しくないでしょう? ツラそうに続けるものは、見るのもツラいはずです。

これからもよろしくお願いいたします。

あ、それと、誌面は、私たち運営者がつくるものではなくて、みなさんがつくるものです。これは当初から変わらない。書きたいこと、記事のアイデア、その他なんでも、気軽に連絡ください。

連絡先は、サイトの右下にもありますが、
こちらです↓↓↓
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/04/blog-post_6811.html

週刊俳句・300号に寄せて

週刊俳句・300号に寄せて

(順不同・敬称略)


週刊俳句三〇〇号おめでとうございます。
いつのまにか三〇〇というところが、
週刊俳句の片意地張らず、悠々とした雰囲気に似合っています。
編集部の皆様、いつもご苦労様です。
野口裕


準備号の後記に、天気さんが次のように書いていらっしゃいますね。「基本は、書きたい人が書きたいことを書きたいときに書く。ここに『党派』はありません。『場』を用意してみた、ということなんです」。その通りに続いていて、見事です。
池田澄子


週刊俳句300号到達、おめでとうございます。
昨年は拙作を載せていただきありがとうございました。
まだまだいい句を書かれる自由律俳人の方はたくさんおりますので、
その方達の作品も是非よろしくお願い致します。
藤井雪兎


週刊俳句300号、まことにおめでとうございます。週刊俳句は、俳句世界に新しい世界を開きました。謐かに扉をひらき、ゆるゆると、たしかに、一号一号を作りあげているように思います。西原天気さん、上田信治さんという実にニュートラルなお二人を中心に柔軟な皆さんが、編集員として尽力なさり、淡々と、あつい場を作り続けています。
幅広い人材に機会を与え、場は常に澄み渡っています。
このまま、このまま、よろしくお願いいたします。
小池康生


あの「長崎屋」(週刊俳句第153号 2010年3月28日 「長崎屋桐生店地下食品売場吟行記」)は、そのまま「ドンキホーテ」になりました。それはさておき、毎週更新、ありがとうございます。300号、おめでとうございます。
山田耕司


「週刊俳句」は俳句世間のフリーペーパーである。
猫髭


このたびの300号、おめでとうございます。
いつも開放的な空気に満ちているところ、とても稀有で素敵だと思います。
それが編集陣の方針なのか、芸風なのか、お人柄なのかよくわからない感じなのも好ましいです。
どうぞこれからも風通しのよい雑誌でありますよう期待しています。
小津夜景


おめでとうございます! とにかく毎週続いているというのが素晴らしいと思います。いつも土曜の23時58分ぐらいから更新を楽しみにしています。
西村麒麟


週刊俳句haikuweekly第300号おめでとうございます。
私が初めて週刊俳句を読んだのはいつだったのか…まるで覚えていませんが、まるで意味が分からなかったという印象がありました。
改めて第1号から読んでみると、そうでもないじゃん?と思うまで俳句において私は成長したのでしょうか?

今まで眩しい思いで読んでいた週刊俳句。数々の有名作家が登場する週刊俳句。かと思えば身近な友が登場する週刊俳句。
そうか!週刊俳句はそういう場であったのかと気付いたのは最近。

これからも近くて遠い場であって欲しいと、遠い所を目指してゆける場であって欲しいと、400回500回と続いてゆく事を願うと共に感謝致します。
高畠葉子


300号おめでとうございます!
週刊俳句は近所のちょっと年上のお兄ちゃんという感じです。
いつも遊んでもらっているけど、ふっと気づくとお兄ちゃんだけ遠くを見ているような。
宮本佳世乃


祝句
この夜に週刊俳句と蜜柑あれば
神野紗希


毎号、編集後記を楽しみにしています。もう少し、アホ記事(いい意味で)が増えることを期待しています。
佐藤文香


祝・300号!!週刊俳句がなかったら知らないままだっただろうことがたくさんあります。週刊俳句にインスパイアされていろんなサイトが立ち上がり、ただで(^^)多くの俳句と俳句に関する文章が読めるようになったことも、無所属の俳句遊び人にとっては大変うれしいことです。ありがとう!!週刊俳句。そしてこれからもよろしくお願いします!
沖らくだ


「週刊俳句300号」おめでとうございます!
続けるということ、何よりも一番大切だと思います。
これからも、400号、500号をめざしてお続けくださいね♪
毎週、日曜の朝をとても楽しみにしております(^^)

300のシュークリーム春兆す
金子敦


春を待つごとしよ日曜日を待つは
野口る理


300号おめでとうございます。
私事になりますが、昨年は拙句を掲載いただいたり句評を載せていただいたり、貴重な場を提供いただきまして感謝しております。
これからもネットという発言の場を維持していただきたいと勝手ながら期待して。
石原 明




コメント欄にどうぞ。ご自由にお言葉をお残しください。

コメントの書き込み方 


後記+プロフィール 300

後記 ● 村田 篠


第300号をお届けします。

「週刊俳句」が始まったのは2007年の4月。今週号に掲載の西原天気「創刊の頃」を読みながら「創刊準備号」の表紙をクリックしてみました。コンテンツはまだ少なく、執筆者は4人、素朴で初々しい新雑誌を読者のひとりとしてワクワクしながら読んだ記憶が、懐かしく蘇ってきます。

第100号のころはすでにスタッフのひとりとして、運営を手伝っていました。このとき20名の方々に5句と短文をご寄稿いただいたのですが、依頼から締め切りまでが短かったにもかかわらず、みなさん快く引き受けてくださったのでした。

第200号では、今回と同様、〔週俳アーカイブ〕としてオススメ記事を20名の方に書いていただきました。そしてこの号で、『俳コレ』の刊行を発表しています。またこのときは、リアルとネットの両方で、200号記念句会を開催しました。私はネット句会の幹事をつとめたのですが、50人近くの方にご参加をいただき、うれしすぎる悲鳴を上げながら夜遅くまで選句のとりまとめをしていたことを、ありありと思い出します。あの作業は、ほんとうに楽しかった。ついこの間のようですが、あれからもう2年近く経っているのですね。

こうやって振り返ると、この6年でほんとうにたくさんの方々を知り、ネットの内外でお会いしてきたことを実感します。

「週刊俳句」を通じて交流させていただいたすべてのみなさん、ほんとうにありがとうございます。今後とも、どうぞ「週刊俳句」をよろしくお願いいたします。



さて、しばらくぶりに、10句競作の作品を募集いたします。どうぞ奮ってご応募ください。詳細はこちらです。



それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。



no.300/2013-1-20 profile

■藤 幹子 ふじ・みきこ
1978生。『炎環』所属。同人。

■鴇田智哉 ときた・ともや
1969年木更津生まれ。第16回(2001年)俳句研究賞受賞、第29回(2005年)俳人協会新人賞受賞。句集に『こゑふたつ』。「雲」編集長。

福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。開成高校在学中に俳句部に入り、句作をはじめる。現在大学生。共著『俳コレ』。

■小久保佳世子 こくぼ・かよこ
1945年生ま れ。「街」同人。句集『アングル』。

■茅根知子 ちのね・ともこ
1957年東京生れ。1999年「魚座」入会。「魚座」終刊にともない2007年より「雲」同人。2009年「雲」退会。第4回(2001年)「魚座」新人賞。第15回(2001年)俳壇賞。句集『眠るまで』(本阿弥書店)。「絵空」同人。俳人協会会員。

久留島元 くるしま・はじめ
1985年1月11日生。「船団」会員。第七回鬼貫青春俳句大賞受賞。2012年~、柿衛文庫「俳句ラボ」講師。blog「曾呂利亭雑記」 

嵯峨根鈴子 さがね・すずこ
同人誌「らん」同人。句集『コンと鳴く』『ファウルボール』神戸市在住。

■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCなどの超結社句会に参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人 最優秀賞。第二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。2008年12月より銀化所属。アンソロジー『新撰21』(2009)に参加。2010年第56回角川俳句賞受賞。ブログ「そらはなないろ」  

■月野ぽぽな つきの・ぽぽな
1965年長野県生まれ。ニューヨーク市在住。「海程」同人。現代俳句協会会員。2008年海程新人賞、09年豆の木賞、10年現代俳句新人賞、11年海程会賞受賞。月野ぽぽなフェイスブック:http://www.facebook.com/PoponaTsukino

■生駒大祐 いこま・だいすけ
1987年三重県生まれ。「天為」「トーキョーハイクライターズクラブ」所属。「東大俳句会」等で活動。blog:湿度100‰

■大穂照久 おおほ・てるひさ
1986年生まれ。好物はカステラ。

舘山藤右ヱ門 たてやま・とうえもん
1951年青森県生。「街」会員。埼玉県在住。

■山田耕司 やまだ・こうじ
1967年生まれ。俳句同人誌「未定」を経て、俳句同人誌「円錐」創刊に参加。その後、俳句作品の発表を中断。2010年 句集『大風呂敷』出版。現在、「円錐」同人。共著『超新撰21』(2010)。サイト 大風呂敷

■越智友亮 おち・ゆうすけ
1991年生まれ。池田澄子に師事。共著に『新撰21』(邑書林刊)。「鏡」所属。

■早川純子 はやかわ・じゅんこ
北舟句会・迅雷句会・俳句集団【itak】幹事。北海道在住。

竹岡一郎 たけおか・いちろう
昭和38年8月生まれ。「鷹」月光集同人。句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年、ふらんす堂)

■大石雄鬼 おおいし・ゆうき
1958年生まれ、埼玉県育ち。現代俳句協会会員、「陸」同人、「豆の木」所属、1996年に現代俳句協会新人賞。2008年前に豆の木賞。

■柴田千晶 しばた・ちあき
1960年横須賀生。「街」同人。句集『赤き毛皮』(金雀枝舎)、共著『超新撰21』『再読 波多野爽波』(どちらも邑書林)。詩集『生家へ』(思潮社)など。映画脚本「ひとりね」。https://twitter.com/hiniesta2010

■小川春休 おがわ・しゅんきゅう
1976年、広島生まれ。現在「童子」同人、「澤」会員。句集『銀の泡』。サイト「ハルヤスミ web site

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。1952年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)完結しました。最終号は品切れですが、第一号から第四号までは残部あります。希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ

■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。共著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「七曜堂」 twitter

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。2003年、「魚座」入会。「魚座」終刊により2007年「雲」入会、同人。2010年「雲」退会。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。俳人協会会員。「Belle Epoque」