2007年「週刊俳句」的十大ニュース
●とりあえず、はじまる 『週刊俳句』創刊
創刊準備号が2007年4月22日リリース。たしか3月に何人かの方に「こんなこと考えてるんだけど?」というメールを送り、4月アタマにmixiで準備室のようなコミュニティをつくり、名称などを軽く討議したのでした(そのとき上田信治さんから「日本俳句新聞」などという案も出たりして、「わっ、日刊ですか?」と恐怖)。
週刊サイクルの俳句ウェブマガジンをいまさらのように思い立った経緯は、自分の中にはいろいろありましたが、ここでそれをお話しするのも、なんです。ただ、思い立ったのは、創刊よりもずいぶん前、2006年の夏頃で、秋からスタートしようとかと考えていました。ところが、ちょうどその頃、私の俳句世間上の思いも寄らない個人的事情が持ち上がり、半年先まで遅れてしまいました。
ともかく準備号からここまで毎週リリースできている、というのは、めでたいことです。
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創刊準備号
創刊号
●俳句コンテストのお祭り化進む 週刊俳句賞
10句作品のコンテスト。『俳句研究』の休刊による俳句研究賞の中止で、応募作品50句が宙に浮いてしまったという人が私の周囲に少なからずいましたので、「じゃあ、週俳でやっちゃいましょうか」と、深い考えもなく作品を募集したところ、応募40作品という盛況。互選、読者投票など、これまでの俳句コンテストとは趣を異にする一種お祭り的イベントとなりました。特別審査員の方々には、ここでもあらためて深い感謝の意を表明いたします。
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週刊俳句賞発表(含:打ち上げパーティ)
●「十二音技法」の衝撃に大揺れの俳句世間
第3号(2007年5月13日)掲載の遠藤 治さん「「十二音技法」が俳句を滅ぼす」に端を発した「十二音技法」騒ぎは、今年の俳句世間のトピックといってもいいでしょう。
「十二音技法」でgoole検索すると、本来の音楽用語(Twelve-tone music、Zwölftonmusik)を押しのけるように、遠藤さんの記事が「上から4番目」の上位にヒットします。「音楽愛好者に対して失礼だ」「別の用語をあてるべき」との声も出そうですが、音楽用語のそれは「十二音」というより「十二音階」というべき代物。したがって、俳句は「十二音技法」、音楽は「十二音階技法」ということにすればいい。と、これは私見。
ただ、十二音+季語という作句の手順は誰でもやっていることです。ふつうのなんでもないこと。しかし、発見とはそういうものでしょう。まさに命名の功績です。あっぱれ、遠藤さん。
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遠藤 治 「十二音技法」が俳句を滅ぼす
「十二音技法が俳句を滅ぼす」への言及記事
中村安伸 十二音技法 たとえ俳句が滅びるとしても 2007-11-11
「週刊俳句 十二音技法」でgoogle検索
●学生諸君による雑誌乗っ取りの快挙 THCプロデュース号
一巻まるなげ。外注、というかアウトソーシングというか、いつもとは違うメンバーがプロデュースするという企画は当初からありました。
「十二音技法」で一躍脚光を浴びたのがトーキョーハイクライターズクラブ(THC)が主催する「青の会」。十二音技法を作句の鉄則と標榜した句会です。それつながり、というわけでもないのですが…。THCでは構想1ヵ月(実働不明)、はたして、すごいボリュームの第29号となりました。
これから先にまた、この「一巻まるなげ」という号をつくりたいと思っています。どなたさまも、どの組織も、お気軽にお申し出ください。
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第29号:まるごと一巻トーキョーハイクライターズクラブ(THC)プロデュース号
●転んでもタダでは起きなかったひとびと 落選展
ハイクマシーン主催の「落選展2006」。今年は各地に分散しそうな感じもあったので、「週俳でまとめてやっちゃいましょうか」と、2007年は週刊俳句が主催。15作品の出展となりました。
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角川俳句賞落選展
●まさか逆さま? 委細開催 回文俳句特集
回文俳句という不思議な世界。この分野の当代二大作家、宮崎二健さんと井口吾郎さんの特集を組めたのは「週刊俳句」にとって大きな喜びでした。二健回文俳句100句、吾郎回文俳句100句の両セレクションは、ほとんど変態的に偉大な足跡として永く俳句業界に残るはずです。
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回文俳句の世界 前編:井口吾郎
回文俳句の世界 後編:宮崎二健
●ご近所づきあい? 異業種交流? 川柳×俳句
週俳は「俳句」のウェブマガジンですが、他分野との広範なクロスオーバーが理想。柳人(川柳作家)と俳人(俳句作家)が、同じテーマで競詠するシリーズは、これまで3回を数えました(第1回:樋口由紀子さん・齋藤朝比古さん、第2回:小池正博さん・仲寒蝉さん、第3回:なかはられいこさん・大石雄鬼さん)。来年2008年、第4回以降、継続させたいシリーズです。
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ラベル: 柳×俳
●グルーヴ感あふれる詩と俳句の提携・共謀 俳句と詩の会
「俳句と詩の会」は、高柳克弘と三木昌子の呼びかけによって発足した、若い詩人と俳人による、俳句と詩の相互研究の会(上田信治・記)。
他分野とのクロスオーバーという週俳のテーマに添った企画。内容は刺激的かつ示唆に富むものでした。これも来年2008年、第3回、第4回と継続してほしい企画です。
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俳句と詩の会「高浜虚子を読む」
俳句と詩の会(2)「吉岡実を読む」
●「ぼくたちの好きな郊外生活」? サバービア俳句
榮猿丸さんが日記に記したひとことを発端に、週俳誌上で広がりを見せつつある「サーバビア俳句」という概念。これからどう広がっていくのやら、とっちらかっていくのやら、と、他人事のような関係者のような言い方をしてしましまいたが、じつはかなり楽しみです。今後の展開に注目ください。
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サバービア俳句について〔1〕榮猿丸×上田信治
サバービア俳句について〔2〕榮猿丸×上田信治
ことばによる、ことばの俳句 『俳句研究』8月号特集「新・現代俳句集成」を読む 榮猿丸
SUBURBIA SAMPLER for Haiku Weekly lugar comum × saibara tenki
●「週俳」、紙媒体で紹介される
俳句総合誌では『俳句』2007年11月号の「合評鼎談」、『俳句年鑑2007年版』の「巻頭提言」(小川軽舟)で取り上げていただいたほか、『俳句界』207年12月号では私(天気)が週俳紹介の一文を寄稿。
ほか、すべてを確認できていませんが、順不同に『澤』『天為』『雷魚』等、結社誌・同人誌でも取り上げていただいております。感謝。
…というわけで2007年の週刊俳句的10大ニュースでございました。このほかにも、たくさんの記事が思い浮かびます。思いもかけなかった愉しい出来事・事件も起こりました。
週俳に寄稿いただいたみなさん、コメント欄に書き込んでいただいたみなさん、そして読者のすべてのみなさんに、「ありがとうございます」を申し上げます。そして来年も、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
(さいばら天気・記)
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2007-12-30
2007年「週刊俳句」的十大ニュース
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