〔今週号の表紙〕
第362号 飛火野
山中西放
JR奈良駅に降り立つと真っ直ぐ東に向かう三条通りがあり、この路の果てが春日大社である。春日大社は藤原氏の氏神。大社は後ろに神域の春日山の原生林、前方は広大な飛火野である。飛火野は一帯の公園と、境内の杜一帯を指すと思われ、参道のほかに幾筋かの径が杜を走っている。
杜から杜へ径を跨いで鹿が移動する、そんな道筋にこの伐木は無造作に転がせてあった。この地は容易に木が伐採できる処では無いのに不思議な一コマである。そして剥き出しの年輪が痛々しくも見えず、不思議に心を癒してくれる。
ほぼ近くに文豪志賀直哉の住んでいた屋敷が残る。
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1 comments:
表皮がはがれたり断面も変色。木喰虫かなにかでだいぶ痛んでいる樹なので、倒れると危ないので倒伏させたのだと思います。
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