〔今週号の表紙〕
第449号 蔦紅葉
山中西放
どこにでも見かける蔦紅葉は日常的で話題にもならないが、何か人間の生活の近くで補完の風情を保つ。
それは人の家屋で出入りの少ない納屋や蔵や物置の温かい広い忘れられた壁面が蔦の生育に適する場所でるからだろう。そしてそんな名も無き場所に名も無き物に無心のオブジェを広げてくれる。
京都から車で3時間、古代は丹で栄え、かつて吉野離宮も在った東吉野の地。幕末には天誅組が蜂起し、亡びたところ。
そこは俳人原石鼎の棲んだ美しい山峡の街。いま町内に数多の句碑が建ち多くの俳人が訪れる。
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