2016-05-01

〔今週号の表紙〕第471号 奈良太郎(東大寺梵鐘) 山中西放

〔今週号の表紙〕
第471号 奈良太郎(東大寺梵鐘)

山中西放




世界から数多の観光客が訪れる東大寺の大仏、同じ境内の高台に在りながら訪れる人は極めて少ない。かく私も初めてであった。

752年作、26.3tも在る大鐘はさすが日本一の圧倒的な量感。大型戦車1両分である。大鐘楼の中では若干の土産品等が置かれ、案内を兼ねた男性が立っていた。それも日に一度午後八時に撞くという。僧侶でも作男でもない。鐘を守るのは大鐘家の屋号の川邊家。明治時代から代々撞手として奉仕しているという。

子規の名句「柿食えば…」は明治28年奈良市の對山楼に泊まった時、柿を食べながら聞いた此の梵鐘が元であるとの説がある。

桜も過ぎて新緑を行く僧侶も長閑だ。



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