【八田木枯の一句】
衣食住のみか晝寝も附いてゐし
西村麒麟
衣食住のみか晝寝も附いてゐし 八田木枯
『夜さり』(2004年)より。
高級旅館に行って何もせず、昼寝をすることを一番の贅沢とする人の話を何かで読んだことがあるが、羨ましいなと思う。
無くてもまぁ、生きてはいける程度のもの、嫌な言い方をするとおまけのようなもの、年齢を重ねるにつれて、そういったものが愛しくなる。昼寝が実にいい気持ちなのは、余計なものだからだろう。だって夜は夜でちゃんと眠るもの。
お洒落着も美食も豪邸も、その無駄ぶりは昼寝にはかなわない。昼寝を美しいなぁと思う。誰もそうは言ってくれないところなんかも奥ゆかしくて良い、昼寝ってやつは。
掲句はそのままの意味で読むと、昼寝とかもできるし、まぁ、満足な暮らしかな、といったところだろうけど、人生で一番楽しいことが何か、がよくわかっているような句である。
衣食足りて昼寝が足らず、ではまだまだ。
2016-07-03
【八田木枯の一句】衣食住のみか晝寝も附いてゐし 西村麒麟
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