〔今週号の表紙〕
第486号 海月
牧岡真理
あちこちに朝日に光る塊がある。潮が引いて浜に置き去りにされた海月だ。「ヤベ!」と思ったときには自力で海に戻れない状況にあった。ここがふたたび海の中になるには何時間も待たなければならないので、そのまま死んでしまう。
隣には別のヤベ君がいた。赤鱏だ。産卵のため浅瀬へ来て浜に打ち上げられてしまった。海に返してやろうと手をのばしたら釣り人に止められた。尾っぽの毒針にやられるという。顔をあげると松林の高い枝にいた鴉と目があった。
海月は風葬、赤鱏は鳥葬ということか。どちらもうらやましい。
撮影地:稲毛海浜公園(千葉県千葉市)
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