【句集を読む】
すべてオッケー
瀬戸正洋『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』を読む
「え?」ということが、ときに起こる。人が倒れることを予期して鮨を食う人はいない。ましてやドイツ人が、となると、なおさら。
蒲公英や爆発しない手榴弾 同
爆発しないからいい、というものでもない。
世の中、思ってもみないことだらけ。
妻の前の狸慌てて妻も慌てて 同
家庭内も、同様。タヌキと妻の鉢合わせ。双方が「あわわ、あわわ」と。絵が浮かぶ。
春大根口を利かなくなった妻 同
のっぴきならない。
「内憂外患」は、この場合、誤用か。
いや、そんなことはどうでもよくて、つまり、世の中、いろいろなことが起こる、ということ。
けれども。
焼酎の神様が居て日暮れかな 同
これですべてオッケー。今日も日が暮れて、また明日、なのであります。
瀬戸正洋句集『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』(2016年10月15日/邑書林)
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