2017-01-22

後記+プロフィール 第509号

後記 ● 村田 篠


実家が関西にある都合上、年に何度か新幹線に乗る生活が始まって35年になります。今週号の表紙に使っていただいた写真も、新幹線の中から撮りました。ですので、今回は新幹線にまつわる話をおひとつ。

当初東京~新大阪間を3時間10分で走っていた東海道新幹線は、開通以来50年で劇的にスピードアップし、今では2時間25分で着いてしまいます。実家のある姫路まででも3時間かかりません。関西は近くなりました。

確かに、東京からは近くなったのですが、面白いことに、新幹線に乗っている時間が減ってみると、逆に関西から東京の遠さが実感されるようになったのです。姫路から名古屋までは1時間10分、でも、名古屋から東京は1時間40分かかります。京都からの時間を比べるとさらに愕然とします。京都~名古屋は30分あまり、でも、名古屋~東京は1時間40分なのです。

東京は遠い!

秀吉が家康に関東への国替えを命じなければ、すんなり駿河を与えていれば、日本の首都は静岡あたりになっていた可能性が高く、今よりはかなり西に位置していることになります。秀吉はやはり、できるだけ大阪から家康を遠ざけたいと思っていたのかなあ、などと今更ながら感じたりします。

どこを始点にするかによって、こんなに印象が変わることもある、ということですね。



それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.509/2017-1-22 profile

中村安伸 なかむら・やすのぶ
1971年奈良県生まれ。
2004年より「― 俳句空間 ― 豈」同人。
2010年、第三回芝不器男俳句新人賞「対馬康子奨励賞」受賞。
2016年、句集『虎の夜食』(邑書林)を刊行。
共著に『無敵の俳句生活』俳筋力の会編(ナナ・コーポレートコミュニケーション)、『新撰21』(邑書林)。

■西生ゆかり さいしょう・ゆかり
1984年福井県生まれ。「街」所属。2016年街未来区賞受賞。

柳本々々  やぎもと・もともと
かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter 

福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「ku+」、「オルガン」に参加。共著に『俳コレ』(邑書林、2011年)。

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。「Belle Epoque」

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