中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第41回 笠置シヅ子「ホームランブギ」
天気●オープン戦が始まりましたね。
憲武●わくわくする季節です。
天気●というわけで、笠置シヅ子「ホームランブギ」(1949年)。
天気●メロディー(服部良一)や歌唱もそうですが、歌詞(サトウハチロー)が素晴らしい。
一つかんと打ちゃホームラン・ブギ
広いスタンド拍手が沸けば
飛ぶよ飛ぶ飛ぶ はるかのはるか
空の青さよ 芝生の青さ♪
あの瞬間のスタジアムの熱狂をていねいに描いて、青という色に行くという。
憲武●芝生へ帰ってくるところ、鋭いですねー。笠置シヅ子といえば、カネヨンのCMを思い出します。
天気●これですね。https://youtu.be/E1JVtluBt1U 二番は恋、あるいは友情です。
二人揃ってホームラン・ブギ
肩を並べりゃ心も通う
通いなれたるこのスタジアム
拍手拍手でお手手が痛い♪
「通いなれたる」が泣かせます。
憲武●野球観戦デートは、いいですね。確実に距離が近くなります。
天気●三番。
五ついつものホームラン・ブギ
一度打ったらもうやめられぬ
あの子見てるかネットのかげで
可愛笑くぼで花束抱いて♪
選手から視線です。「五」に飛びます。数え歌だったはずだけど。
憲武●三、四が無くて五ですね。あの子、明子ねえちゃん状態なんでしょうか。
天気●四番。
昔なつかしホームラン・ブギ
甲子園から野球に通い
今じゃ倅が大学選手
可愛孫さえ小学小学選手
野球好きの夢かもですね、これは。
憲武●ううむ。
天気●五番は、四番の続き。引用は省略します。六番はプロ野球。
八つチームのホームラン・ブギ
虎に巨人にロビンス阪急
鷹に東急中日スターズ♪
プロ野球リーグの設立は1936年。7チームでスタートしています。1リーグ制はその後49年セパ2リーグに分かれるまで続きました。ホームラン・ブギは1949年の発売ですから、1リーグ制最後の年。プロ野球史上、節目の年だったんですね。
憲武●当初は日本野球連盟として一本化していましたが、新規参入が相次いで、特に毎日オリオンズの参入を巡って紛糾したそうですね。結果としてセリーグとパリーグに分かれることになったと。
天気●歌詞にあるロビンスは松竹ロビンス(1936年~1952年)、現在のベイスターズ。東急は、現日ハムの東京セネタース(1935~46年)を東急が買い取った東急フライヤーズ。それからすぐの48年には東映フライヤーズに改称。東映は私たちもかろうじて知っている球団名です。それから、スターズ。これは大映スターズ(1949~56年)。のちの大毎オリオンズは私も知っています。現在のロッテマリーンズ。
憲武●東映フライヤーズの試合見ました。南千住の東京球場で。ほとんど覚えてないですけど。
天気●そしていよいよ最後の七番。
ここで一本ホームラン・ブギ
これが終りだ九回裏だ
コキンと飛ばしてサヨナラしよか
のびたのびたよラッキーラッキーゾーン♪
見事な締めです。
憲武●クリーンヒットの感じですね。
(最終回まで、あと960夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
2018-03-11
中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第41回 笠置シヅ子「ホームランブギ」
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