2018-10-21

【週俳600号に寄せて】地方の俳句愛好者として望むこと 浅川芳直

【週俳600号に寄せて】
地方の俳句愛好者として望むこと

浅川芳直


創刊600号、おめでとうございます。私の高齢の知人にも「週刊俳句」を読んでいるという方がいらっしゃいます。世代を問わず読まれつつ、600号まで発行を続けてこられた積み重ねに、頭が下がる思いです。いろいろな人を積極的に紹介するスタイルを貫いてこられた「週刊俳句」の風通しのよさが、大きな魅力なのかなと思っております。 

さて、500号以降の「週刊俳句」で一番盛り上がったのは何と言っても、高田獄舎氏の俳壇批判と、それを受けて高田さんと久留島元氏の対談が掲載された586号ではなかったかと思います。「週刊俳句」のコメント欄のほか、Twitterやnoteでも一連の話題がメンションされていた印象がありました。

ただ一読者としての私自身は、中央の若手の党派性とか、人脈がどうこうといった話題にさして興味が持てませんでした。地方にいて知りたいのは、中央の人たちがどんなことを議論し、どんなことに関心をもって実作をしているのか、ということ。地方にいると、流行にひきずられることなく、ぶれない態度で自然と向き合える半面、自分の行き方を客観視しにくいところもあるので、若手の人たちがどんなことを考えているのかを知りたいわけです。人間関係とか権力とはどうでもいいですから、地方にいる人間としては中央にいる若手がどんなことを考えているか、議論しているか紹介してくれるような特集号をちょっとだけ期待します。

最後にもう一つ希望です。昨年の「俳苑叢刊を読む」の企画は多士済済の執筆陣で、しかもやりたいことがはっきり見える骨太の企画、一読者として毎週楽しみに拝見していました。ぜひまた、このようなリレー式の連載企画を読みたいです。

まとまりなく書き連ねました。600号からの新たなスタート、楽しみにしております。

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