2018-10-21

【週俳600号に寄せて】金原まさ子さんと週俳 小久保佳世子

【週俳600号に寄せて】
金原まさ子さんと週俳

小久保佳世子


句集『遊戯の家』(2010年金雀枝舎)、『カルナヴァル』(2013年草思社)、エッセイ集『あら、もう102歳』(2018年草思社文庫化)を遺し、2017年6月27日金原まさ子さんは亡くなりました。享年106歳でした。

私は晩年の金原さんと度々おしゃべりする機会に恵まれましたが、その話題の中心は変わり目にある俳句の現在、新しい作家や論客のことで、金原さんの情報源は主に「週刊俳句」でした。

新しい動きに敏感な金原さんは、「週刊俳句」の独創性、スマートさ、面白さに強いインパクトを受けられたことは間違いないと思っています。おそらく毎日曜日、真っ先に開いたページは「週刊俳句」だったと思います。私は、「俳句の今」への興味を興奮気味に語るお元気なあの声が忘れられません。

やがて、「週刊俳句」に金原まさ子さんも何度か登場し、追悼号もでました。アーカイブとしてまとめられているので、そこに行けば100歳を過ぎて尚面白く充実した俳句生活を送られた金原まさ子さんに何度でもお会いすることができるのです。なんとありがたいことでしょう。

100歳を過ぎ最期まで冒険者だった俳人金原まさ子の晩年に「週刊俳句」の存在が大きかったという事実、その証人として今思うことは「週刊俳句」は新しい俳句の時代が必要としていたweb誌だったということです。

週俳600号、感謝をこめて心からおめでとうございます。


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