2018-10-28

後記+プロフィール601

後記 ◆ 村田 篠

都心に住んでいると、バスに乗るチャンスがなかなかありません。もちろんバスは都心も運行しているのですが、道路の混み具合で時間が読めないし、地下鉄というものが発達しているので、ほとんど地下鉄で用が済んでしまいます。

先日来、実家に近い姫路の街と、千葉のとある街で、つづけてバスに乗るチャンスがありました。ところが、乗り慣れていないものだから、料金の払い方が分からない。もちろん、硬貨でチャリンと払う方法は知っています。そうではなくて、いわゆる交通系ICカードの使い方です。

2回の経験で、どうやら、乗るときにカードを読ませる窓にかざし、降りるときに料金箱の上にある窓に再びカードをかざすと、自動的に料金が支払われる仕組みだということが分かりました。分かってしまうと、なんということはない、電車と同じです。姫路では関東のパスモが使えるかどうかを危惧しつつ、行き当たりばったりに成功したのですが、千葉では思わず整理券を取って乗ってしまい、結局硬貨で払って降りるはめになりました。

もうすでに常識になっていることを知らないまま体験すると、なんともスリリングなことになってしまいます。わからないことは尋ねるのが基本ですが、ワンマンカーの運転手さんに話しかけるのもそれなりに勇気のいることだったりします。

でも、もう大丈夫。風景の流れてゆくバスの楽しさは、地下鉄では味わえません。ときどきバスに乗りに出かけようか、などど思う秋なのでした。



それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.601/2018-10-28 profile

■今井 豊 いまい・ゆたか
昭和37年、兵庫県生まれ。中学時代より作句。「獏」「日曜日」「流星」などを経て、「藍生」(黒田杏子主宰)に参加。平成30年7月に「いぶき」(中岡毅雄と共同代表)を創刊。句集に『席捲』『逆鱗』『訣別』『草魂』。俳人協会会員。

中岡毅雄 なかおか・たけお
1963年生れ。「いぶき」共同代表、「藍生」会員。句集『一碧』(俳人協会新人賞)『啓示』(山本健吉文学賞)、評論『高浜虚子論』(俳人協会評論新人賞)『壺中の天地』(俳人協会評論賞)。

西澤みず季 にしざわ・みずき
2001年、母との同居を機に俳句を始める。09年、句集「ミステリーツアー」。現在「街」同人。

橋本 直 はしもと・すなお
1967年生。「豈」同人、「鬼」会員。BlogTedious Lecture

■関悦史 せき・えつし
1969年、茨城生まれ。第1回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞、第11回俳句界評論賞受賞。句集『六十億本の回転する曲がつた棒』(第3回田中裕明賞)、『花咲く機械状独身者たちの活造り』、評論集『俳句という他界』。共著『新撰21』他。「豈」同人。 ブログ:http://kanchu-haiku.typepad.jp/blog/

中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

吉平たもつ よしひら・たもつ
1946年生まれ。現代俳句協会、新俳句人連盟所属。句集刊行検討中。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。「Belle Epoque」


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