2018-10-28

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 ディアナ・ダービン「it's raining sunbeam」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
ディアナ・ダービン「it's raining sunbeam」


憲武●秋といえば澄んだ歌声を聴きたい。ということで、ディアナ・ダービンの it's raining sunbeam です。


憲武●1937年、日本でいうと昭和12年ですか、戦前のアメリカ映画「オーケストラの少女」からのワンシーンです。歌ってるのはディアナ・ダービン。当時15歳です。

天気●達者な歌声ですね。太陽が降り注ぐといった意味でしょうか。氷を溶かすとあるので、いちおう初春の歌なんでしょうが。

憲武●どうなんでしょう。「光の雨」と訳されてますが。失業中のトロンボーン奏者のお父さん、アドルフ・マンジューが演じてます、を救うために大奮闘。最後はめでたしめでたしという映画です。

天気●かわいい娘が不遇の父親のために、というね。王道父娘モノ?

憲武●はい、これ、20年くらい前に中央区の図書館で借りて観たんですが、ディアナ・ダービンにヤラれてしまいました。

天気●映画やCDが充実している図書館がたくさんあるんですが、あまり知られていないのかな? 意外に利用されない。

憲武●そうです。勿体ないです。古い作品のラインナップが充実してるところもあるんです。

天気●そうそう。

憲武●この曲、日本ではコシミハルがカヴァーしてます。確か。80年代後半、細野晴臣のノン・スタンダードレーベルだったか、その後のモナドだったか、オムニバスアルバムの中で歌ってたかと。タイトルは「太陽の雨が降る」だったか。ムーンライダーズも参加してたからテントレーベルだったかな。記憶ごっちゃです。

天気●憲武さんも朦朧と生きてますね。私と同じだ。

憲武●はい。空気や光にもなれそうです。ストコフスキーがストコフスキー自身の役で出てるんです。


天気●当時55歳くらい。フィラデルフィア管弦楽団もそれ役なんですね。

憲武●地で行ってます。いやあ映画って本当にいいですね。それではサヨナラサヨナラサヨナラ。 


(最終回まで、あと929夜) 
(次回は西原天気の推薦曲)

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