2020-09-06

柳俳合同誌上句会2020

柳俳合同誌上句会2020

このたび小誌『週刊俳句』では、柳人5名+俳人5名参加のメール句会を開催いたしました。以下に投句一覧を掲載いたします。

投句は、題詠【紙】【魚】、テーマ詠【聴覚関連】の3句。選句は互選形式。特選1句、並選4句。

選句結果と作者名は来週・第699号(2020年9月13日号)にて発表いたします。お楽しみにお待ちください。

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●投句一覧


【紙】

脱色してヤンキーになってる紙

猪に勝つて紙面の小見出しに

〈     〉を〈紙にプリントするように〉

鏡台のうしろに落ちた秋の紙

ユニコーンの匂いは紙に似ている

紙でつくる東京のうへ鰯雲

紙蓋のサイズの違う秋夕焼

筆洗や月へ及べる紙の冷

鞄には他人になる紙星月夜

紙コップ立つ秋の日のコカ・コーラ

【魚】

たなびきし楽市楽座魚座どち

てのひらの魚の熱をどうしよう

よく晴れて広場に魚の降る時間

雑木紅葉水の育ちを魚に問ふ

秋澄みてシーラカンスの魚拓かな

太刀魚のひかりをするするとしまう

痛風やじつとしてゐる熱帯魚

肺の辺に付ける魚卵製造機

父親は痩せていたのか魚竜釣り

問100で魚と星とまぜられている

【聴覚関連】

うどん屋で振り向いたのはオペラ歌手

コアラ以前のキャーッコアラ以後のキャーッ

ツクツクツクボーシと下り電車ゆく

稲妻やまださけびなきNASA動画

空耳をたよりに島の月もがな

山縦に伸びて鹿鳴くこと二日

住宅街歩く房事やと思う

新しい歯ブラシの音鰯雲

夜の秋ことば少ないあそびせり

肛門や祭太鼓に共鳴す

以上・全30句