柳俳合同誌上句会2020
このたび小誌『週刊俳句』では、柳人5名+俳人5名参加のメール句会を開催いたしました。以下に投句一覧を掲載いたします。
投句は、題詠【紙】【魚】、テーマ詠【聴覚関連】の3句。選句は互選形式。特選1句、並選4句。
選句結果と作者名は来週・第699号(2020年9月13日号)にて発表いたします。お楽しみにお待ちください。
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●投句一覧
【紙】
脱色してヤンキーになってる紙
猪に勝つて紙面の小見出しに
〈 〉を〈紙にプリントするように〉
鏡台のうしろに落ちた秋の紙
ユニコーンの匂いは紙に似ている
紙でつくる東京のうへ鰯雲
紙蓋のサイズの違う秋夕焼
筆洗や月へ及べる紙の冷
鞄には他人になる紙星月夜
紙コップ立つ秋の日のコカ・コーラ
【魚】
たなびきし楽市楽座魚座どち
てのひらの魚の熱をどうしよう
よく晴れて広場に魚の降る時間
雑木紅葉水の育ちを魚に問ふ
秋澄みてシーラカンスの魚拓かな
太刀魚のひかりをするするとしまう
痛風やじつとしてゐる熱帯魚
肺の辺に付ける魚卵製造機
父親は痩せていたのか魚竜釣り
問100で魚と星とまぜられている
【聴覚関連】
うどん屋で振り向いたのはオペラ歌手
コアラ以前のキャーッコアラ以後のキャーッ
ツクツクツクボーシと下り電車ゆく
稲妻やまださけびなきNASA動画
空耳をたよりに島の月もがな
山縦に伸びて鹿鳴くこと二日
住宅街歩く房事やと思う
新しい歯ブラシの音鰯雲
夜の秋ことば少ないあそびせり
肛門や祭太鼓に共鳴す