2020-09-20

【700号記念】 揺られる窓のむこう 福田若之

【700号記念】

揺られる窓のむこう

福田若之



『週刊俳句』が第700号を迎える。だから、それで、ええと、何が書けるだろう。

実をいうと、更新の当番が回ってきて、後記を書こうとするたびに、そのつど思ってきたことです。たとえば、第607号を迎えて、第612号を迎えて、第627号を迎えて、第639号を迎えて、第652号を迎えて、第665号を迎えて、第698号を迎えて、だから、それで、何が書けるだろう。僕の関心事は、むしろ、それぞれの日付を、どんなふうに迎えるかということだった気がします。

だから、第700号を記念してなんていうけど、そうですね、やっぱり気張らないでおきます。

2020年の9月20日という日付を、どんなふうに迎えるだろう。僕はといえば、当番でもないし、やることが他にあるから、たぶん『週刊俳句』のことはそう気にせずに迎えるだろうと思います。午前中、行きがけの電車のなかで、ふと思い出したように記事を読むかもしれません。

そのくらいの感じ。そのくらいの感じで、じんわりと、揺られる窓のむこう、鉄橋のしたに見える水の流れのように、春も秋も、うらうらと続いていくのがいいと思っています。あんまり、何も、考えていない。

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