【700号記念】
揺られる窓のむこう
福田若之
『週刊俳句』が第700号を迎える。だから、それで、ええと、何が書けるだろう。
実をいうと、更新の当番が回ってきて、後記を書こうとするたびに、そのつど思ってきたことです。たとえば、第607号を迎えて、第612号を迎えて、第627号を迎えて、第639号を迎えて、第652号を迎えて、第665号を迎えて、第698号を迎えて、だから、それで、何が書けるだろう。僕の関心事は、むしろ、それぞれの日付を、どんなふうに迎えるかということだった気がします。
だから、第700号を記念してなんていうけど、そうですね、やっぱり気張らないでおきます。
2020年の9月20日という日付を、どんなふうに迎えるだろう。僕はといえば、当番でもないし、やることが他にあるから、たぶん『週刊俳句』のことはそう気にせずに迎えるだろうと思います。午前中、行きがけの電車のなかで、ふと思い出したように記事を読むかもしれません。
そのくらいの感じ。そのくらいの感じで、じんわりと、揺られる窓のむこう、鉄橋のしたに見える水の流れのように、春も秋も、うらうらと続いていくのがいいと思っています。あんまり、何も、考えていない。
0 comments:
コメントを投稿