【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
スモール・フェイセス「オール・オア・ナッシング」
天気●先週のレッド・ツェッペリン繋がりで、英国の古いロックバンドを聴いてみようかと、スモール・フェイセス「オール・オア・ナッシング」(1966年)です。
天気●英国チャートで1位を獲得した、いわば出世曲です。だから、こういうビデオも作れたんでしょうか。経緯はわかりませんが、さらにセールスを伸ばすためとか。街路ライブの体(てい)ですが、音はレコードです。
憲武●吐く息が真っ白なロンドンの夜ですね。最近の都会では、こんな盛大な白息の排出を見なくなったような気もします。ゆったりしたテムポと白息、白息が効いてます。
天気●ロックはアップテムポが多いのですが、これくらいのゆったりしたのもいい感じだなと。
憲武●そうですね。ボストンの「宇宙の彼方へ」とか。
天気●国が違いますけどね。ま、ぞれはともかく、スティーヴ・マリオットのボーカルは、まだそれほどキンキンしてなくて、マイルドさを残してます。
憲武●スティーヴ・マリオットと言えば「オリバー!」の子役としても有名ですね。
天気●このスモール・フェイセスからスティーヴ・マリオットが抜けて、ロッド・スチュワートとロン・ウッドが入ってフェイセスとしてさらにメジャーなバンドになり、抜けたスティーヴ・マリオットはハンブル・パイというバンドをつくり、そこのギタリスト、ピーター・フランプトンは独立して「Show Me the Way」の大ヒットを飛ばし、一方、ロニー・レーンはスリム・チャンスを結成して、と、このあたりの流れの種子みたいな感じになったバンドです。
憲武●このあいだ紹介したウイングスでギタリストを務めたジミー・マカロックもウイングス脱退後の1977年、再結成したスモール・フェイセスに加入しています。なんかこのへんの相関関係って入り乱れてて、一口では言えない感じです。ロニー・レーンとデニー・レーンも似てるし。
天気●親戚かな? ま、それはともかく、この冬は、英国ロックを順に聴いていこうかとも思ってるんですよ。ラヴ&ピース!
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
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