【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
トム・ジョーンズ「ラブ・ミー・トゥナイト」
憲武●小学生の頃、よく外国のポピュラー歌手の番組がありまして、「アンディ・ウィリアムス・ショー」ですとか、「エンゲルベルト・フンパーディンク・ショー」ですとか。このトム・ジョーンズもそうした番組がありまして、熱心に見てたんです。
天気●男性歌手がホスト。テレビって、昔から、奥様方、かつて言われた有閑マダムがコアユーザーだったんですね。
憲武●自発的に見たわけじゃなくて、母が見てたので、その影響ですかね。母の話だと、トム・ジョーンズの独特の腰を振るダンスが堪らない魅力だそうなんです。そのダンスが見られる動画がこちらです。
憲武●これですよ。このダンス。
天気●おかあさん、エッチ。
憲武●なかなか。当時、熱狂的な人気を集めてまして、またまた母から聞いた話なんですけど、ラスベガスかどこかのショーで、最前列に座っていたご婦人が熱狂の余り、ご自身の履かれていた下着を脱いで、ステージ上のトム・ジョーンズに放り投げたところ、トム・ジョーンズはその下着で、パッパッと汗を拭いて、そのご婦人に投げ返したそうです。真偽の程は分かりませんが、それくらい熱狂的な支持を集めていたという話ですね。
天気●本来的な意味での「セクシー」が売りだった。歌声もルックスも、いかにもです。
憲武●この人、いろいろチャレンジしてまして、90年代には The Art of Noise と組んだり、トレヴァー・ホーンと組んだり、可能性を広げるようなことをしてます。
天気●リミックスかと思ったら、一緒にやってるみたいですね。トレヴァー・ホーンがプロデューサーとして仕掛けた。
憲武●このあと「恋はメキメキ」という曲もやってます。
天気●CMで何度も聞いている出だしですね。「make you make you♪」から「メキメキ」ですか。
憲武●さてこそ。わが邦ではムーンライダーズが、「ラブ・ミー・トゥナイト」をカヴァーしてますね。歌詞は鈴木慶一が書いてて、「仕事があって会えなくてゴメンよ/世界中でキミが一番好きなのに~」みたいな鈴木慶一らしい情けない歌詞に仕立ててます。参考までに聴きますか。
天気●へえ、おもしろいカヴァー。
憲武●トム・ジョーンズはジョン・レノンと同じ1940年生まれですから、現在81歳です。まだ現役です。「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」「何かいいことないか子猫チャン」「よくあることサ」など素晴らしい曲をたくさん歌ってます。長生きしてください。身体だけは大事にしてください。
(最終回まで、あと787夜)
1 comments:
トム・ジョーンズといえば、ティム・バートン『マーズ・アタック!』があまりといえばあまりにすばらしかった! 我が映画体験の最高峰。
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