【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
スティーヴィー・ワンダー「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」
天気●やっぱり、スティーヴィー・ワンダーは取り上げときゃあな、って感じで、取り上げるのですが、この人、いい曲、いい演奏が山ほどあるなか、いちばん好きな曲を。、いい演奏が山ほどあるなか、いちばん好きな曲を。
天気●モータウン時代の1968年リリースです。後年のライブも含め、いろんな動画があるのですが、これは最初のスタジオ録音にしました。声が若くてハリがある。胸が張り裂けそうなシャウトと後ろに引いた感じの発声の妙という点で、この頃、いちばん美味しく味わえる。
憲武●キャリアの長い人ですからね。いろんな時期の魅力がありますが、比較的僕もモータウン時代のスティービー・ワンダーが好きです。
天気●ハーモニカ・ソロがたっぷりあるのいもいいです。
憲武●クロマチックハーモニカですね。哀愁を感じる音色で。スティービー・ワンダーの吹くクロマチックハーモニカは、スティービー・ワンダーならではの音色という感じします。
天気●バックはモータウンらしい音で、タイトかつスウィート。こういう、隙間の素敵な音は近年少なくなったような気がします。
憲武●最近の楽曲では、あまり聞かないですね。ピアノ、コーラスなどがさりげなく入ってきます。音がくっきりしてないのがいいですね。
天気●イントロ後に入ってくるベースライン、転がるようなピアノ。途中、この頃からソウルミュージックのアレンジでわりあい頻繁に使われるようになったピッコロ(だと思う)の裏メロとか、どれをとっても、美味このうえないです。
憲武●このベースライン、好きです。純度100パーセントモータウンサウンドって感じです。
天気●「For once in my life, I have someone who needs me♪」から始まる歌詞は、ラヴソングの基本形のようで、曲の高揚感によく合ってまる。自分を必要としてくれる人。だいじですね。これからの晩年も、このことを忘れないように暮らしていきたいと思います。
(最終回まで、あと774夜)
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