2023-04-02

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】アース・ウィンド・アンド・ファイヤー「Got to Get You Into My Life」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
アース・ウィンド・アンド・ファイヤー「Got to Get You Into My Life」


天気●ビートルズのカバーってことで、デヴィッド・T・ウォーカーを取り上げました。今回は、アース・ウィンド・アンド・ファイヤーで、「Got to Get You Into My Life」です。

 

天気●オリジナルはアルバム「リボルバー」(1966年)収録。作詞作曲はレノン=マッカートニー。もともとソウルというかR&Bぽい曲ですから、黒っぽいカバーを待っていた、解したい。 

憲武●いつ聴いても、いい曲です。片岡義男のビートルズ詩集では、Got to get you into my lifeを「きみと生きなければ!」って訳してたんですが、のちに出たポール・マッカートニーの「メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」によれば、youって人ではなくてマリファナのことらしいですね。

天気●1980年のウィングス来日公演は、マリファナで逮捕されて中止になりましたよね。日本は解禁されてなかった(今もそうだけど)。さて、この曲、当時のビートルスにしてはわりあいめずらしく管楽器が大々的に入っていることもあって、ブラスロック(死語!)のブラッド・スウェット・アンド・ティアーズもやってます

憲武●ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズといえば、「Spinning Wheel」のイントロのブラスがぱっと思い浮かぶんですが、これは知りませんでした。

天気●どっちのカバーを取り上げるか、ですが、リズムの切れ味とかの点で(時代も違うのですが)、それと、ボーカルがより黒っぽい、それと曲構成その他、オリジナルからの改編が大きい、つまり個性的なカバー(これ、私にとってだいじ)ということで、アース~のほうにしました。

憲武●「太陽神(All 'N All) 」(1977年)の頃ですかね。

天気●1978年にシングル盤として発売、らしいです。

憲武●アースのこれ、ビージーズとピーター・フランプトン主演の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(1978年公開)って映画のなかで歌われてましたよね。最初聴いたとき、「ちょっと違うなあ」と思ったものですが、これはこれでアリだな、と思い直したのはいつのことだったでしょう。

天気●3曲を聴き比べるとき、ベース特集の流れで、ベースを聴き比べてみるのも面白いですよ。ポール、凝ってる!(ポール牧ではありません、マッカートニーね) ブラッド~はロック的で、ちょっと単調。アース、後半、小気味よい。みたいに、違いの面白さを味わえます。

憲武●どこを切ってもアースのサビみたいに聴こえます。つまりどこを短く切られて出されてもアースだ、と一発でわかる音作りをしてます。

天気●いやぁ、カバーって本当にいいもんですね。 

(最終回まで、あと716夜)

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