【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
tofubeats「水星 feat.オノマトペ大臣」
憲武●DTMという語に代表されるように、今はパソコンがあれば音楽に親しめる時代です。もちろんそうして生まれた楽曲には、いいものもあり、悪いものも、稚拙なものですかね、あると思いますが、最後にモノをいうのはセンスということなんでしょうか。tofubeatsで「水星 feat.オノマトペ大臣」。
憲武●tofubeatsは個人で楽曲を作っているDJでありトラックメイカーと呼ばれる人です。神戸在住で、神戸を出ずに活動してます。この曲は「lost decade(2013)」というアルバムに収録されています。
天気●気持ちのいいノリです。オノマトペ大臣とあるので、なんだろう?と思って聞いていたのですが、オノマトペが出てこない。聞き逃してるのかな?
憲武●オノマトペ大臣と名乗っていますが、オノマトペは関係ないようです。メーカーに勤める兼業ラッパーで、作詞に協力してるようです。この曲はサンプリングの曲で、イントロのシンセサイザーのフレーズが今田耕司がkoji1200という別名義で出した「ブロウ・ヤ・マインド~アメリカ大好き(1996)」って曲からの引用です。
天気●一時期、吉本の芸人が音楽畑に進出してましたね。
憲武●はい、そんな時期がありました。「ブロウ・ヤ・マインド」という曲自体サンプリングの曲で、geisha girls の「blow your mind(1995)」を元にしています。ちょっとややこしいんですけど。geisha girls、koji1200、tofubeatsという流れです。koji1200の曲がいいんです。tofubeatsは、いいところに目をつけたなと思います。長めなサンプリングですんで、権利の問題ももちろんクリアしてるんでしょう。
天気●許諾を得るとか、そういうのがあるんでしょうね。
憲武●著作権に関わってきますからね。動画に出てくる女性は仮谷せいらという人で、そのバージョンは去年発表されました。ロケ地も同じく神戸で、ところどころオマージュが感じられます。
天気●こちらもいいですね。歌唱が明快に聞こえる。
憲武●この曲はさらにカバーされて、スチャダラパーの楽曲ともコラボしてます。最初の発表は12インチ(2011)ですから、10年以上も聴かれ続けてるんですよね。これからもどうかたちを変えていくのか、興味のあるところではあります。
(最終回まで、あと711夜)
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