恐竜が鳥になってカモメに(ハト)
小笠原鳥類
松下カロ『白鳥句集』(深夜叢書社、2016)から。数字はページ(漢字の表記を一部変更)
「やがて滅ぶ 鳩 人 きりん 大白鳥」12
チョウザメ、恐竜と粘土(と星)とシーラカンス、すし
「牛乳を匙で掬へば白鳥生れ」14
金魚を見て、見ながら、豆腐が喋る。そこにシャチ
「白鳥を追い越してゆく鳩時計」27
ワニが、ペンギンだろうクチバシ。まるい菓子(と箱)とクラリネット
「白鳥が見てゐる赤いベレー帽」42
イカを、パンを食べながら紫色のイソギンチャクが、知る紫
「白鳥はうごく步道に乘つて來る」44
緑色のものを、横のひろがっている明るい窓のようなものから見ていたピラニア(と、肺魚)
「シーラカンスも白鳥も人見知り」58
タラがサカサナマズを、いつでも縦になって見る銀色。かもめ
「白鳥をときどき想ふ雪男」63
ピアノがコンニャクとアコーディオンである部屋のフクロウ。セミ
「白鳥は新刊本の匂ひする」74
小屋があれば回転するケーキ。組み立てるアイスクリームの椀
「白鳥は眞直ぐパンの耳へ來る」82
スプーンが、それから、ソーダであるザラザラのテーブル。木、きのこ
「いつまでも白鳥仰ぐチェロ奏者」84
醤油の思い出と、魚。昆布が重なっている
「無数の白鳥が天井を飛びかっていたこともありました。」99(「あとがき」)
虫であるセミだと思っていると、キツツキ(そして――そして――むくどり)
「白鳥もどんなに喜んでいることでしょう。」99(「あとがき」)
はじめて(液体の)サメを、音楽映画で見たウミネコ
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