【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
ザ・ビートニクス「Stage Fright」
憲武●アガっちゃう時って、ありますね。大きな会のステージ上で、なにか発表する時とか、今でも時々アガってしまいます。という訳でザ・ビートニクス「Stage Fright」。
憲武●この曲はザ・ビートニクスの2枚目のアルバム「EXITENTIALIST A GO GO ビートで行こう(1987)」に収録されています。オリジナルはザ・バンドの同名タイトル曲です。ロビー・ロバートソンの曲ですね。ザ・ビートニクスは高橋幸宏と鈴木慶一のユニット名です。
天気●2枚目を聴いたことがないせいもあって、このカヴァーは初耳です。オリジナルとはビートも歌唱も違っていて、グルーヴや感情を抑えた感じ。
憲武●「舞台恐怖症」(1950年)という邦題のヒッチコックの映画がありますが、原題は「Stage Fright」です。奇しくも同じタイトルですが、ヒッチコックの方は、タイトルがあまり内容と関係なく使用されていたような気がします。
天気●当時は日本では未公開だったようですね。私、未見ですし、初耳です。
憲武●曲の方のタイトルは、ロビー・ロバートソンがアガリ症だったようで、「ステージ、こわっ」というそのもののタイトルです。1987年の5月26日から29日のどれかに、インクスティック芝浦ファクトリーにライブを観に行っていて、鈴木慶一が曲の前にそんな説明してたような記憶あります。
天気●アガったんですね。あれほど場数をこなしても。
憲武●不思議だが本当なんですね。一枚めの「出口主義(1981)」というアルバム、このアルバムタイトルは実存主義のもじりですが、わりとアバンギャルドを標榜してたと思いますが、二枚めはグッとポップになっていて、落ち着いた大人の余裕が出てたように思えます。
天気●機会があれば、こんど、ちらっとでも聴いてみます。
憲武●高橋幸宏と鈴木慶一は、その後もビートニクスとして断続的に、わりと最近まで活動してました。4年に一回くらいの割合でアルバムを発表してたと思いますので、そろそろ次のアルバムが待たれます。もう出ないですけどね。
(最終回まで、あと693夜)
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