2024-04-07

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】ニール・ラーセン「Sudden Samba」

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
ニール・ラーセン「Sudden Samba」


憲武●適度に暑い日もあったりする今日この頃です。季節先取りでNeil Larsenで「Sudden Samba」です。

 

憲武●突然サンバ? いきなりサンバ? ですかね。この曲はNeil Larsenの「Jungle Fever(1978)」に収録されてます。

天気●このアルバムも持っていましたが、1972年のFull Moon名義のをよく聴きました。知り合いの学生バンドが、ここに入っている「Midnight Path」という曲を演っていて、いい曲だな、と。それがきっかけ。

憲武●学生、特に軽音楽部の学生は一度は聴くんじゃないでしょうか。

天気●フュージョン好きなら、ね。

憲武●ハモンドオルガンの音色好きなんです。ニール・ラーセンはロックのアルバムなどでその名前を見ますが、初めて意識したのはジョージ・ハリスンのアルバムでした。

天気●ニール・ラーセンはいろんなスタジオでキャリアを積んでいるようですね。

憲武●ハモンドオルガンはもともと、パイプオルガンのような音色を身近で出せないかという発想で作られた楽器で、当時の人々はパイプが使われていないので、オルガンとは認めなかった歴史があります。それでもハモンドオルガンを身近に聴いて、育った世代はジャズやロックに取り入れるようになります。音楽が身辺にあるって、大事なことなんですね。

天気●ハモンド、あったかい音ですよね。

憲武●そうなんです。アピートやアゴゴというサンバお馴染みの楽器も使われていますが、基本的にオルガンとギターが印象的です。曲の構成もテーマが最初と最後の二回出てきて、その間をそれぞれのソロを演奏するというシンプルな構成ですね。

天気●ニール・ラーセン名義なのに、キーボードはそれほど目立たず、ギターが目立つ。

憲武●ギターはバジー・フェイトンで、この人もニール・ラーセンと同じようにいろいろなアルバムでその名前のクレジットを見かける人です。1980年にはラーセン・フェイトン・バンドを結成して、その名を冠したアルバムを出してます。

天気●最初の「フルムーン」以来のコンビですね。

憲武●本人たちのライブで観たことないんですが、この曲はライブで聴くといい曲だと思います。ポール・マッカートニーだって81歳で頑張ってますから、二人とも75歳なのでまだまだでしょうか。ブルーノート東京とか、来てほしいです。 


(最終回まで、あと667夜)

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