2024-09-29

小笠原鳥類 鯨頭鸛は、ハシビロコウで、あるのだろう

鯨頭鸛は、ハシビロコウで、あるのだろう

小笠原鳥類

 

榎本櫻湖『Hanakoganei Counterpoint』(七月堂、2024)の鳥がいるところ「」数字はページ

「鶯の歌も、遠い街の花火も、幻想は波のうえでだけ舞うのであって、」003

金魚が〈布〉であると、題名の映画を作りたい鱈が、こわい鮒だ

「隣の家の柿の樹に停まっているのであろう小鳥たちの啼く声が不躾に鼓膜を震わせて、」007

トマトが、(ウニだ)桃のような、口を開いているアザラシと壁を思い出すだろう蝉では、ないのです。

「裏庭の犬に驚いて飛びたっていった小鳥たちの群れの羽音が、」012

カセットテープ(四角い)という、ものが、——ヤギという動物を知らない

「大きな寸胴の鍋のなかを泳ぐ鼈も尾長鴨の慌てた蹼を忘れることはない、」014

宇宙からアライグマではないだろうイグアナも、テレビだと言いながら緑色に来るだろう操作。

「雛の、ようするに雀かなにか、」017

画面は馬を見るものだ会った人に言う知っている人

「梅や椿の枝でときおり囀ったり叫んでみせたりもする鳴禽類の一種の幼鳥が、黄いろい嘴をひらいて、」017

花が、キノコのような木の、昆虫であるだろう音だ。そこにある技術は豆腐の飴のような透明だ透明だ

「たったいま青鷺が飛びたっていった川辺の繁みに探すのか、」019

ケーキは、動物と馬のような踊りを、思い出しながら回転する建物のボウリングだ。そこで怪獣を持っているコウモリ

「毀れたラジオから聴こえてくる白鳥の歌をすこしずつ五線紙に採譜していく手をわたしはきっと捏造するだろう、」019

ハト(と、リス)が金属と、それから、ウサギのようであるだろう生物は、アメーバだ。ジャガイモ食べる

「それにしても翡翠の飛びかう水中には極彩色の絹糸がはりめぐらされ、」028

砂が、少しだけ生きものと、昆布だ。塩、それから(粘土のようなものと会話をする)エビ。

「その宇宙にあって巨大な釣竿を鳩の雛の嘴へと慎重に垂らすのだ、」046

カササギが時々、ヤモリが〈やわらかい料理だよ〉と言っているコウガイビルを暗記してもいるんだろう

「金絲雀の恋、」049

印刷とチョウザメと印刷(と竹、)

「茴香の背景をわたる鷲たちの冠羽をそそけだたせて狼の皮を食む、」054

布に〈ラッキーだ〉と書いていたら、そのようなことを書くのは、めずらしい靴だ

「肺魚を焼べる海貓の、砂嘴に蔓延る梅花藻も巨視的に睨みつければフラクタル、」059

金属(が言っている)がクジャクのように、体操を紫色にしているのだろう鴇

「茫洋とした湖面を掠める鳥たちの明朗な声が聴こえたりもするのだろうか、」089

まるい楽器を(レタスのように)作ることができる棚が、その上の叫びとダトニオイデスだ!

「蝙蝠の翼を生やした投票箱が磯鵯の雛を匿っているよ――、」094

フラミンゴについて言いたいことをペリカンが言いたいだろう宇宙と、かもめ

「盗賊鷗の眼光が鴉の羽根を威嚇していた、」096

公園が(言っているものだ)フズリナであると、テーブルのように言いたい。公園が言いたいのだ

「紅茶を飲んでいたあなたは、庭で、巣材をくわえて飛びまわっている二羽の四十雀をみている、」106

キャベツだ

「胡桃を抱いている(白鳥かもしれない)、」115

ももんが

「図鑑を片手に風切羽を蒐めて歩いた日曜日、」117

かえる(両生類)かえる両生類

「それから巨大な怪鳥のこととかを

どこかに書いた」134

テニスが(キツツキだ)(キツツキで、あるだろう)きつつき。それから(、)キンムネオナガテリムク。

「もはやなにかもわからなくなってしまっているモルフォや鶸は碧い光線を反射しているし、」164

シャーロック・ホームズではない本を読んでいるシャーロック・ホームズ。

「ここに鵞鳥の優美な羽根をもちいたペンをおき、」173

ふくろう。(みみずく、)ふくろう・餡

「スクリューにはもはや鷦鷯か、それかより温暖な気候であれば紅雀が巣をつくっているし、」177

スイカであるものを、ステープラーであると(金属だ)言って、箱が〈麺だ〉持ってくるだろう図示、

「いくつか籾殻に包まって鶸はかわいい、」178

あの窓はクラリネットだ

「風に煽られて砂埃が舞う砂利が敷かれた庭に二羽の白鶺鴒が飛んできて、」186

蟻と動物である魚が、恐竜だ恐竜だ、とバケツにいる青いヒトデが言わない。秘密なんだ

「優美な鷺を見た、」187

蝶をズアオアトリであると、言いますね

「鯨頭鸛をしっているか、ずっとその嘴をならすけたたましい音が頭から離れずにいる。」196

バスケットボールは、上にいるカマキリを畳のように(透明に)知る電気ウナギのような、灰色の緑色ではないだろうか

「にぎやかな鳥や獣も、きらびやかな蛾も、」199

芸能

「鶫が跳ねる広葉樹林をひとりさまよう。」203

サメであると思ったのだが、エイであるらしい

「その光景に朱く唸った墨を流す爪の尖った鳴禽にここで、」203

いくつかの寒天を、鶴のように(ではないのだが)歩いて、線(だけではない)が、持ってきました

「ルリカケス、」233

ルリカケス。 




榎本櫻湖遺稿詩集『Hanakoganei Counterpoint』2024年9月/七月堂
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