【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
ビーチボーイズ「I Know There's An Answer」
憲武●今月の11日にブライアン・ウィルソンが亡くなりまして、追悼ということでThe Beach Boys「I Know There's An Answer」(1966)です。
憲武●思い起こせば音楽千夜一夜の第1回めがビーチ・ボーイズの「思い出のスマハマ」でしたね。これはマイク・ラブの曲でした。
天気●そうでした。2017年5月28日。8年も前なんで忘れてましたが、記念すべき第1回なんですね。
憲武●そうですそうです。今回はブライアン・ウィルソンの「I Know There's An annswer」です。この曲はアルバム『ペット・サウンズ』(1966)に収録されてまして、このアルバムはビーチ・ボーイズの最高傑作と言われています。ブライアン・ウィルソンがビートルズの『ラバー・ソウル』(1965)を超えるアルバムを作ろうと構想したと言うんですが、『ラバー・ソウル』が1965年12月リリース、そして『ペット・サウンズ』が1966年5月リリースと、構想からリリースまで5ヶ月って早いような気がします。それは「ペット・サウンズ」の出来がいいので、そう感じるんですけどね。
天気●半年絶たずに、というのは、じゅうぶん早いと思います。
憲武●やはり、早いですか。よくトータル・アルバムという言い方がされますけど、この「ペット・サウンズ」などはまさしくその範疇に入るんではないかと思えます。しかし当のブライアン・ウィルソンがトータル的なものを意識していたかというと、どうだったんだろうと思います。
天気●はっきりしたストーリーがわからないので、ピンと来ませんね。トータルアルバムと言ってるからそうなんだろう、という程度の理解です。
憲武●この取り上げた曲は、冒頭から楽園へ連れ込まれる感じです。南の島をイメージします。光も感じますし、歌詞の内容は答えは自分で見つけるしかないといった内容なので、その光へ向かって歩いて行くイメージを受けます。
天気●ガチャガチャした音がアレンジに多く取り入れられているかと思うと、すうっと風通しがいいい感じになったり。凝ってる、というか、ブライアン・ウィルソンの意気込みが伝わりますね。
憲武●はい。意気込みがよく伝わってくるアルバムです。今日は一日このアルバムを聴きながら、泣きたい気分に浸りたいと思います。 このアルバムは泣きたい気分が横溢してるんです。
(最終回まで、あと605夜)
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