2025-08-24

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】プリテンダーズ「Kid」

 【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
プリテンダーズ「Kid」


天気●ああ、なつかしいなあ、という、身勝手な理由で、プリテンダーズ「Kid」(1980)を。

 

天気●わりあいヒットしました。ラジオでよく流れてた。当時は、もうオトナで、聴いたとたんに、当時もやっぱりなつかしく感じて、好きになった曲です。

憲武●はい。流れてました。ギターの響き方が今でも夏って感じします。邦題は「愛しのキッズ」ですね。

天気●プリテンダーズは、1979年デビューの英国のバンド。この曲はデビュー翌年のファースト・アルバムからのシングル・カット。クリシー・ハインドのちょっとぶっきらぼうでなにかしら攻撃的な唄いっぷりが、パンクの伝統を感じさせますが、曲調はポップ。いかにも売れそうな仕上がりです。

憲武●クリシー・ハインドイギリス人とばかり思っていたのですが、アメリカ人なんですね。驚きました。

天気●はい、そのイメージはなかった。てっきり英国人だとばかり。オハイオ州生まれなんですね。英国ロックのファンで、ロンドンに渡った。

憲武●当時、70年代後半はパンク全盛でしたから、クリシー・ハインドはそれにどっぷり浸かっていたのでしょうね。

天気●ギターの前奏や間奏も惹かれた要素です。ぜんぜんテクニカルじゃないけど、いわゆるカッコいい。弦の生音を活かした音色も素敵です。間奏の最後にハーモニクス(ピーンと高い音)を鳴らすのは、ビートルズ「ノーウェアマン」の間奏と同じで、そこもうれしくなります。

憲武●1分46秒あたりですね。ピーンというところ。ここはグッと来るところです。

天気●調べてみると、このバンド、今年もライブ盤ですが、リリースしていて、少なくとも、クリシー・ハインドは現役のようです。79年デビューというと古いバンドじゃない気がしてましたが(ローリング・ストーンズは62年ですからね)、プリテンダーズももう半世紀近いキャリア。時間が経つのが早くて、いやんなっちゃいます。

(最終回まで、あと598夜)

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