【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
ダイアナ・ロス「Last Time I Saw Him」
憲武●お正月(1月1日)に久米宏が亡くなりまして、たくさん思い出がありますけど、この曲をすぐに思い出します。ダイアナ・ロス「Last Time I Saw Him」。
憲武●この曲は1973年12月にリリースされたアルバムのタイトル曲です。当時、TBSラジオで深夜0時過ぎくらいから15分ほどの番組で「プラチナ・ハイ・ディスク」という番組があって、久米宏がメインパーソナリティ、当時はパーソナリティという言葉はありませんでしたが、で関根世津子がアシスタントでした。主に聴取者、今ではリスナーと言いますが、からのその日にあった出来事などの書かれた他愛もない内容のハガキ、メールじゃなくてハガキです、を読んで合間に曲をかけるという進行の番組でした。
天気●久米宏はもともとラジオというイメージが強いです。昼の番組で外回りのロケ担当だったのをうっすら憶えています。まだメインではなくアナウンサーとして若手の頃だったかと。
憲武●それは「土曜ワイドラジオ東京」の中の「ここは東京、どこでしょう?」とか「隠しマイク作戦」などのコーナーを担当してましたね。1967年にTBS入社ですから、二十代後半の頃ですかね。それでこの曲は、たぶんアルバムが発売直後ということもあり、シングルカットもされていたんでしょうね。かなりの頻度でかかったんです。他にはやはりダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイの「ユー・アー・エブリシング」とかポール・マッカートニーの「愛しのヘレン」とかかかってましたね。
天気●ダイアナ・ロスはデュエットが印象深い。「ユー・アー・エブリシング」のヒットのせいか。
憲武●はい、「ダイアナ&マーヴィン」というデュエットアルバムもあります。曲を紹介する久米宏の「ダイアナ・ロス、わかれ」というナレーションと共にイントロが鳴り出すところは耳に残ってます。その時の久米宏の「わかれ」という口調は特に。シングル盤の邦題が「わかれ」という平仮名三文字でしたね。
天気●なんか変な邦題。
憲武●邦題はたいがいは変ですよね。後年、学生時代に中古レコード店でシングル盤を見かけて買った記憶があります。ラジオで聴いてた当時は、買わなかったんですね。ビートルズの方に小遣いが回ってたからだと思います。
天気●私はシングル盤を買った時代は短くて、すぐにアルバムになっちゃった。ポップスで洋楽を知って、そののちロックへ、という、当時は順当な流れ。中学の終わり頃にウッドストックでしたから。
憲武●ウッドストックは後から知って、映画を観ました。この曲の歌詞はグレイハウンドバスで南部に去ってしまった恋人をずっと待ち続けているといった内容です。途中からバンジョーなども入って、曲としては明るい締めくくりに向かいます。
天気●軽快で、ディキシーランド風。ダイアナ・ロス(シュープリース時代も含めて)のなかでも「Someday We Will Be Together」「You Can't Hurry Love」と並んで大好きな曲です。
憲武●ダイアナ・ロスというとネスカフェのCMに使われてた「マホガニーのテーマ」の人という印象があったんですが、この曲で印象が変わりました。なんていうか親しみやすいと感じたんです。一曲で印象が変わることってありますよね。
(最終回まで、あと577夜)
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