2026-07-19

もっと時間のかかる俳句 井口可奈 工藤吹  大塚凱 生駒大祐

もっと時間のかかる俳句


井口可奈
工藤 吹
大塚 凱
生駒大祐

(『ねじまわし』第10号より転載)

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 一

前号に続いてですが、変わって今回の出題者は大塚です。よろしくお願いします。

 あとに「一枝」とか、「一匹」とか名詞がつく形もあるし、「一二片」とか「一二倍」みたいに続くこともあり得るから、まだわかんないですね。あと「一緒」とか熟語的につく場合もあるから難しいな。そういう計算をしてもたぶん当たらないけど。

 じゃあ次行きますか。

 一瞬

井口可奈(以下、可) 一瞬か。

 次、助詞が来ると思うんですよね。「一瞬間」とかにはならないから、一瞬に、〈一瞬にしてみな遺品雲の峰 櫂未知子〉とかもありますけど。「一瞬に」なのか「一瞬の」とか「一瞬で」とか。

工藤吹(以下、吹) うん。上がしっかり五音だなって感じ。

 うん。そうですね、たしかに。あんまり、字余りしてなさそう。

 一瞬よ

 おー、「よ」か。切れがきたね。

 「一瞬よ」って入りとして壮大な気がします。

 あ、でも、「一瞬より」とかって可能性もあります?

 ありますけど、ちょっとオッズは高めかな?

 「一瞬より」、万馬券になるぐらいの感じがする。

 最後は、倒置で来ると思うんで。最後の文字は「〜は」とか「〜も」とか。でも、「一瞬より」もなくはないな。

 今の段階だとありえる。

 あります。ありえる。生駒さんの言ったことが「一瞬よ」だったら下五の最終音が「〜も」とか「〜は」かっていうのは、すごく良いフォーメーションの買い目だなと。

 ここで切れてるとしたら、「一瞬」をちゃんと「一瞬」として楽しもうっていう気概を感じられるので、意外と手堅いやり方の人なのかなって感じがします。

 そうですね。あんまり、なんだろう、本当に印象だけですけど、前衛の人はあんまりこういうやり方をしない気がする。伝統系の結社の書き手の可能性も全然ある。次に「り」が来るか、別の全然わからん名詞とか語頭とかが来るかによって、結構句の雰囲気変わるな、これが。

 一瞬よ紀

 あはは。

 「一瞬よ」が上五というのが確定でいいでしょう。

 うん、いいと思う。紀元前の紀ですね。

 そうですね。でも紀元前の紀とかだと、上五で時間感覚の話をしてるんで、自然とつながりができるのでけっこう確率高いんじゃないですかね。

 時空の話ですもんね。

 壮大になっていきそうな。

 遥かなるものも一瞬に過ぎないみたいな方向に行き得ますよね。

 「紀」の一字だけで遥かなる感じはします。

 うん、もう遥かなる感じする。

 俳句でよくあるのがなんか、明確な言葉は浮かばないですけど、「一瞬よ紀◯◯も◯◯も」って言って、で下の「◯◯も」に「初秋も」とかって季語を持ってくる、あるいは本当に瞬間を感じさせるような季語を持ってきておいて、上の方は壮大なことを言って、それはどっちも一瞬だよって、僕だったらそういう作り方しちゃいそうな気がしちゃいますね。でも違うかな、なんか「一瞬よ」って一言だけで、あんまり想像つかない。

 一瞬よ紀貫

 あー! 「紀貫之」か。

 人名だとしたらやっぱりすごく長い時間の話になりそうな気がする。

 そうっすね。そうなると話変わってくるな、ちょっと(笑)

 えー、まってー。 ちょっと。 難しい……(笑)

 いま、「紀貫之」だと長くなるって言ってたところの意図を、もうちょっと教えてもらってもいいですか。

 あ、えっと、昔の人だから「紀元」みたいな語があることとあんまり効果が変わんないんじゃない?と。この時間の長さを想起させる方向に行くのかなと思いました。

 まあ、古人ですもんね。

 うーん。ここに、例えば、「紀貫之」が入ってきたとして、割と文字数、「紀貫之」に持っていかれません?

 確かに6文字あれば、とはいえ助詞でなんとか。

 助詞しかないですよ、絶対ね。その場合、なんかこの雰囲気的に、無季ってことはなさそうな気がするから、その場合「紀貫之の◯◯は」とか「◯◯も」かな。ちょっとこれ、次が「之」だった時点で、季語を当てに行きたいな。

 一瞬よ紀貫之

 確定演出だ。

 まあ、「の」だろうな。

 そう、私も思ったもん。

 皆さんどうですか? 「の」の単勝買いって感じですか?

 「の」の単勝。応援馬券でもう千円くらい。いや、でもここで季語を予想して、馬単を狙いたい。

 ここで考えたい、僕は。結構考えてる。紀貫之……「も」はないよ。「紀貫之」が「一瞬」って言わないから、「の」なんだよ。紀貫之の、なんちゃらは、とか、なんちゃらも、なんだよな。

 たぶん、「土佐日記」の人だから、なんか、季語はモノじゃなくて季節に重心が寄りそう……。

 そう……ですね。

 季語で終わるパターンなんですかね。紀貫之の、なんとかの夏みたいな。わかんないけど、それもありそう。

 あー、ありそう。

 季節って予想できます?

 合っていそうかは別にして、予想はご自由に(笑)

 予想はできるか。絞れなくていいなら。

 ……「梅」じゃないですか?(笑)

 あーでも、「梅」って言われたらなんかそれ……。

 花の和歌が有名だからスタンダードに行くのかなという、そういう予想です。

 一瞬よ紀貫之も

 あー、そう。え、生駒さんの読み、いいのかもしれない、構造的に。「◯◯も」?

 「◯◯も◯◯も」。でも「紀貫之」が「一瞬」ってわかんないな。なんだろう、あー、でも、季語の付け方次第でわかるのかもしれない。

 「の」じゃない。ハズレ馬券だ(笑)……思った方向性じゃなさそうですね。

 すごい、俳句的に言えば多分「紀貫之も◯◯も」なんですけど、なんだろう、別にそれ以外も当然あり得る、全然あり得るから……「一瞬よ紀貫之も言っている」とかそういう、わけわからんことも。

 わかんないけど、わかんないけどそういう……ね(笑)

 「も」を並列の「も」じゃなく、「紀貫之も見た梅の」とかなんか、そういう系もあり得るかな。いやむしろ、なんかそっちに行くのかな。「紀貫之も◯◯も」とかしちゃうと、「紀貫之」が「一瞬」って、ちょっとよくわかんないから。時間を意味する季語を持ってきつつ……。

 逆に「風」とか? 「一瞬よ」は機能する気がする。

 大きなものというか、実体があるというよりは、存在はするけど具体物ではないようなものが来るようなイメージでいます?

 今はそんな感じもあるなと思いつつ、「紀貫之も」だと、「紀貫之」が時間の長さ的な部分を担保するんじゃないかと思って。風とか物とか、「はっきりとした一日」みたいな尺で、もうちょっと短めの何かが来そうだと。

 「紀貫之」でバキッと固有名詞が来てるから、もう一個名詞みたいなのが来るなら、ちょっと広いところの方が私も面白いかなと思いますけど。

 井口さん的には仲良くできそうですか? 今のところ、どうですか。(注:前号p40参照)

 いや、「紀貫之」とか言う人はダメかな(笑)

 マウントを取られる感じですか?(笑)

 はいはい、ってなっちゃうかもな。

 一瞬よ紀貫之もら

一同 ら!?

 でも紀貫之は紀貫之だから、「ら」で始まる……なんだろうな。要は、「も」で切れて五七が切れてるのは前提だと思うんで。にしても、「ら」? めっちゃおもろいじゃん、これ。

 ひらがなの「ら」ですか?

 ひらがなの「ら」です。

 ひらがなの「ら」なんだ。 「落雷」とかならわかるけど、ひらがななんだよなと思うと……。

 そうそうそう。そうなんだよね。

 なんだろう、これはさすがにここまで来たらちょっと、探りたいな。…………ひらがな? 本当?

 そこ一回疑いません? え、ひらがな?(笑)ってなる。

 むずい。

 だんだん、ゲシュタルト崩壊してくるね。

 あ、分かる、めっちゃ分かります。

 ラ、ライオン……は季語じゃなかった。なんだ、難しい。

 あー、季語が入ってくるとしたら……「ら」?

 らっきょう?

 まあ、らっきょうは、ギリ、季語。

 らっきょうって季語なんですか?

 紀貫之とらっきょうを並立するのめっちゃ面白くないですか(笑)

 ある意味いいかもしれないけど(笑)

 なんかもう、ひらがなの「ら」っていうのが念頭に、あると……。

 平仮名はそうですよね。花が落ちる「落花」は季語だけど、ひらがなによって書かれるのはほぼないから、たぶん違うし。むずいな、ひらがなは意外だな。……え、むずい。急にわかんない。

 めっちゃむずい。

 一瞬よ紀貫之もらつ

 あ、「らつきよう」ありうるな。

 「もらつた」とか? 紀貫之をもらうの?

 (笑)

 どうしよう。

 貫之をもらうってどうするんだ……。もらえたら嬉しい気がしてきた。

 でも「一瞬よ」で絶対下五に落ちる句になるはずだから、仮に「らつきよう」だとしてもわけわからんから、なんか。

 わかんないな。本当に難しい。

 え、マジわからん。

 「一瞬」がちょっと跳ねてる音だから、「つ」もちっちゃい「っ」だと思うんですけどね。

 なるほど。

 そもそも「らつ」で始まる言葉って季語とか抜いておいても、あんまないですよ。「辣腕を振う」の辣腕くらい。

 確かに。

 助詞の省略? 「も」の前に、「紀貫之から」の「から」が省略で、「からもらった」みたいな意味? もうわかんない!

 「ら」で急にわからなくなったな。なんかでも、紀貫之自身の生涯が「一瞬」っていう可能性もあるし、紀貫之の歌なり日記文学なりを一瞬で読んだよっていうことの可能性もあるから、なんかそういう「らつ」の次第で、どういう読みもあるようなって感じですかね。「らつ」はマジでわかんない。

 そう、面白い読みがやっぱり収束しないですね、まだまだ全然。

 一瞬よ紀貫之もらつき

 来た! よしよしよし!

 完全に最後の直線に入ったときの声出てましたね(笑)

 来ましたね。

 「らつきよう」の可能性がかなり出てきているぞ。

 いや、でもここから「ラッキー」とか言われてすべてが終わってしまう可能性もある。絶対仲良くなりたくない。

 マジ「ラッキー」やだな。「ラッキー」は割と嫌だな。

 一瞬よ紀貫之もらつきよ

一同 あー。

 本当そうじゃん。

 すごいな。

 意味がまだ全然わからない……。

 え、めっちゃ面白いけど、意味がわからない(笑)

 旬とか時期の話なんですかね。

 そうなんですかね。そういうことなんでしょうね。あとはなんか、美味しいらっきょうすぎて、一瞬で食べたよ、みたいな。

 酢漬けにするから、持つ気がするけどな。

 持つとは思うんですけどね。あんなに作ったのに、食べるのは一瞬で……という、らっきょう自体はそういうものではあるなとは思う。そこから紀貫之に最後、逆にかかっていく感じなのかなと思って読んでましたけど。

 誰なんだ、これは。

 確かに誰だろうね。これ作者名も一文字ずつ開く感じですか。

 ですね。では、一気に最後まで開けましょう。

 一瞬よ紀貫之もらつきようも

 生駒さんはどこらへんの書き手だと思いますか?

 えー……あ、でもね、意味は捉えにくいが、なんだろう、結構伝統寄りというか、俳人協会系の結社の人だと思っていて、その根拠は、結局……さっき凱くんが言ってくれた読みだと、らっきょうを寿いでいるというのかな、すぐ無くなるぐらい良かったよっていうのを言ってるので、そういうふうな、なんか、季語を大切にするやり方は俳人協会系だから……で、かつ、あんま「澤」っぽくないんだよな。「澤」っぽくないし、いろいろ無理矢理さはあるんだけど、なんか。鷹っぽい。と思ってます。小川軽舟さん。鷹っぽい。と僕は読んでます。でも、人まではまだ分かんないです。

 じゃあ一文字目開けます。

 一瞬よ紀貫之もらつきようも 永

 「永」って誰だっけ。

 「鷹」で「永」って言ったらもう、永島靖子さんですけど(笑)

 あ、そっか。じゃ、合ってんじゃん。

 いや、永島さんではないです(笑)言っちゃいますけど、永島さんじゃないです。

 じゃないんだ(笑)

 あ、永末恵子さん?

 あ、正解です。そう。

 一瞬よ紀貫之もらつきようも 永末恵子

 じゃあ僕の読みは結構外れてて、そういう系か。ちょっと、なんだろう、詩的飛躍みたいな切り口が多分、本筋の意味なんだろう。

 「らつきよう」当てたのすごくないですか?

 いや、すごい。

 最近はじめた競馬が役に立っている。

 工藤さんの推理は終始、鋭いなと思いました。

 めっちゃ鋭いっすよね。

 俳句の知識が、初めて読んだ歳時記とかに依存している感じがします。かもしれないで適当なことが言えてしまう。

 まあ、歳時記って狭いですからね(笑)

 うんうんうん。

 「◯◯も◯◯も」の構造を当てたことは想像の範囲だったんだけど、その時のモードがなんか、もうちょっと理がつく感じの句を想像してたから、作者名出て初めてちょっと「紀貫之」のニュアンスがわかったというか。必ずしもめちゃくちゃ真面目に「人生が」とか言わなくて、とらえなくていいんだっていうのがやっぱり作者の名前つくとちょっとわかるな。「紀貫之」の想起させる、象徴する何かが一瞬で、「らつきよう」の想起させる何かが一瞬で、それぐらいの理解でいいんだっていうのは、なんか名前ついてわかったという感じがしてます。

 生駒さんのは、展開予想は合ってたけど、買う馬間違えたみたいな感じでしたね(笑)

 そうです、そうです。

 全部読んでもまだそこまで飛躍か分からないのが個人的にはあって、とはいえやっぱり俳句って四季を書き出す詩型だから、そこの制限の影響が一番ある気がします。「旬よ」って言われたら「何着てもおかしくないぜ」みたいな気持ちに、全部納得できちゃいそうな気が。その人のやってる連想ゲームが分かる気がする。

 納得します。井口さん的にはどうですか。

 句の全体の意味じゃなくて恐縮なんですけど、「一瞬よ」の「よ」って詠嘆じゃないですか。で、女性の喋る時の口調みたいな「よ」ってあるじゃないですか。あれと詠嘆の「よ」が似てるっていうか、同じような使われ方をするっていうのが最近ちょっと面白いなと思ってて。この「一瞬よ」は多分詠嘆だけど、これも難しい話をしてしまうと、話し言葉の「よ」にもとれなくはないっていうか、その感じってすごい、なんでしょう、面白いと同時に……ちょっと思ってます、最近。

 この句の場合には、詠嘆としての「よ」よりも、話し言葉的なモダリティ、ちょっと女性的なモダリティの「よ」で読んだ方が面白いのではないかと思っているんですよね。それは、「土佐日記」が女性の仮託で書かれたという事実が響いてくる読みとしても。

 なんか、最初は絶対詠嘆だろうって思ったんですけど、開いていく前は。全部開いていくと、なんかどっちかっていうと、喋り言葉っぽいなと思ったんですよ。で、あんまりジェンダーの話したくない、作者も女性の方なんで、そういう語尾の「よ」みたいな感じなのかなって思って、ふんふんと思ってたんですけど、なんで詠嘆の言葉と一緒なんだって思って、急に。……面白いけど、言われたらなんで納得してるんだろう、私。なんとなく納得させられるのはなんでなんだろう。なんかその並列、ちょっと面長な感じ? わかんない(笑)すごい適当なこと言ってる気がします、今。でもちょっとやっぱり面白い。あんまり「紀貫之」と「らつきよう」のつながりを考えていくと、だんだん難しいところに行くのかもしれないけど、なんとなく遠くないような気がするのが面白いかもしれないです。全く近くはない、すごい近いわけじゃないけど、なんか微妙に、ある。そのくらいの即き方はいいなと。なんとなく白いから?

 わかる。

 でもなんかそういうのもある気がするんですよね。

 なんとなくそういう微妙な即き方にちょうどいいかもしれない。意外と嫌じゃないかも。

 最初「紀貫之」でちょっと嫌がってましたもんね(笑)

 あの時は「マジか」と思ったけど、「らつきよう」をここに持ってくる人はそんなに嫌いじゃないですね。だから一句読み解く中で好きになったり嫌いになったりする。面白いですね。

 それで言うと、栗木京子の〈観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生〉という短歌も割と「一瞬よ」に近い気がするんですけど、あっちはかなり嫌なんですよ、個人的に……。

 そうなんだ!

 重くされたな、という気持ちになる感じで。ちょっと似てるなって思うけど「紀貫之」と「らつきよう」の距離感が個人的には好きかもしれない。こっちのほうがやっぱりなんていうか軽いというか。切実な問題とせずとも読める。

 「らつきよう」の歯応えなのかな、最後に立ってくるのは。

 なんかあと音の感じも影響あると思うんですよね。キノツラユキだから、キで挟まれていて、キって結構音として短めというかカラッとしてる。音から「一瞬」っていうのはちょっと説得力があるし。

 あんまりア段の音ないですよね。

 そうですね。そうですね。ラぐらい。

 ツラユキのラとラッキョウのラぐらいですね。

 うん。でも音がちょっと近いですよね。ラッキョウにもキが入ってるし。

 あ、ラとキが入ってる。

 さらに「一瞬よ」でイ音がめちゃくちゃ下支えしてる感じですかね。

 うん、そうですね。

 確かに、使ってる母音と子音はほとんど一緒なんですね、ラッキョウとキノツラユキ。全然気づかなかったけど(笑)

 そうね、そういうことか。

 これ、パスというか繋がってて。あとなんかちょっと思ったな、その「一瞬よ」の「一瞬性みたいなものが、逆に梅とか近しいものだったら、切り替えがなく「紀貫之」を読んでる感じなんですけど、「らつきよう」って、たぶん紀貫之あんま関係ないと思うんで、「紀貫之もらつきようも」っていう、違うものを取り合わせる感じの、取り合わせの速度みたいなもの自体が「一瞬よ」と、すぐに切り替わるよみたいな、そういうふうな読みもできて、そう読むとなんか、単純に語の斡旋としての「紀貫之」と「らつきよう」の取り合わせで読めるので、そう読むと結構、句が深いというか、おもろいなあって思います。

 これは、二物衝撃ってやつなんですか?

 うん、そう言っていいんじゃないですかね。

 そうですね、モチーフとしてはそう言っていいんじゃないかなと思いますけど、いわゆる、俳句の二物衝撃って言うと、大きめの季語にもうちょっと具象性のあるもの、具体物をぶつけるっていうのが割とスタンダードではあるから、「紀貫之」と「らつきよう」っていうのは、いわゆる普通のパターンではないっていう感じ。もちろん同じような詩的な力学は働いてるんですけど、まあ、裏拳みたいな感じ?(笑)(了)

二〇二四年十月二十日ZOOMにて収録

ねじまわし第10号
2025年5月11日発行
『ねじまわし』誌・問い合わせ先 819neji@gmail.com
オンライン購入先 https://819neji.booth.pm


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