「まいたけてんぷら」など
小笠原鳥類
佐藤文香の小詩集『メッキを剥ぐと稲妻は腐る』(走鳥堂、2024)から、いきものたちがいるところ「」
「中くらいの水槽の真鯛が顔を見せにくる。」
板を食べるチョウザメであるとは思わない恐竜だが、音を大きくする機械がなかったころのペンギンだ
「この真鯛は古代の思想を見せてくる。」
バウムクーヘンであると(テーブルの上のタラが)言いたいのに、シーラカンスやワニであると壁が言っていました
「五匹、六匹
こちとら 数えて待つしかないんだよ」
布を、建物から出てきて(出てこなくても)豆腐のように喜んで見ています。体操と健康とバリバリ食べること
「犬が出てきたな 犬は
まちがいを探している」
庭が、ハトであるような、ひろがっているテレビが、みみずくだ、みみずくであると思う。放送と、やわらかい骨のエイ
「まいたけてんぷら」
イグアナが、ふしぎだ(石を見て、箱が、言っている)。これからアコーディオンを持つんだ
「引退した馬と しずかに過ごそう
しずかに」
昆虫のように元気になりたいな、アメーバを、歌っている。時々、ボウリングが将棋のようなものだ
(それから、小笠原鳥類の新刊、評論集『現代詩が好きだ』ライトバース出版。佐藤文香小論も収録しています。2009年のアンソロジー『新撰21』からの再録)
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