2025-07-20

後記+プロフィール952

 後記 ◆ 福田若之 

 
これがもう10年以上前の文章を改稿転載したものだということに、心底驚いたことでした。色褪せていないどころか、いまこそしっかり考えたい問いを抱えている文章だと思った次第。
 
たとえば、もし信治さんの書くように「龍太は、俳句の価値判断一般が大衆的な基盤を持つ「べき」であると、誤読させる(そういうムードを醸成する)」のだとしたら、そのころ、そういう俳人が生まれ、かつまた、受け入れられる土壌を形成したものは何だったのか、とか、芭蕉の《此秋は何で年よる雲に鳥》という句を「春の季語としての「鳥雲に入る」という言葉がこの句を見るたびに思い浮んで、それを拭い去ることがどうしてもできないためかもしれない」 という立場からとらえる龍太の読みの妥当性、だとか。ばらばらのようで、それらはひとつに、そしてなにより今につながるような気がしてならないのです。


それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.952/2025-7-20 profile
 
鈴木茂雄 すずき・しげお   
堺市在住。「Picnic」「KoteKote-句-Love」所属。Twitter「ハイク・カプセル」http://twitter.com/haiku_capsule

岸田祐子 きしだ・ゆうこ
『ホトトギス』同人。日本伝統俳句協会会員。2009年、第20回日本伝統俳句協会新人賞。タロットカードと西洋占星術で俳句や句集を占っています。俳句と占い(https://819-fortune.amebaownd.com/
 
福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「オルガン」に参加。第1句集、『自生地』(東京四季出版、2017年)にて第6回与謝蕪村賞新人賞受賞。第2句集、『二つ折りにされた二枚の紙と二つの留め金からなる一冊の蝶』(私家版、2017年)。


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