【2020年週俳のオススメ記事 1-3月】
振り返るのが怖い
岡田由季
2020年の週刊俳句は第663号よりスタート。恒例の新年詠特集(143名参加)となりました。
年初の頃を振り返ると、たった一年弱前のことであるのに、世の中の状況が今とずいぶん違っていたように思えます。新年詠は2021年も募集いたしますが、常とは異なる一年を過ごした後、どのような作品が集まるのでしょうか。時代を反映したものになるのか、案外変わらないものなのか、興味深いです。
俳人中尾寿美子は一九一四年生まれ。一九八九年に亡くなるまでに、『天沼』『狩立』『草の花』『舞童台』『老虎灘』『新座』という六冊の句集を残した。(中略)
句集『舞童台』は一九八一年刊。秋元不死男「氷海」、鷹羽狩行「狩」同人であった彼女が永田耕衣「琴座」へ転じた直後の句集である。
物故俳人は、結社などを持っていなかった場合、読み継がれることが難しいかもしれません。中尾寿美子の句集は現在入手が難しいかもしれませんが、文中に多くの句が引用されていますので、作品世界を知る手がかりになっていると思います。
物故俳人は、結社などを持っていなかった場合、読み継がれることが難しいかもしれません。中尾寿美子の句集は現在入手が難しいかもしれませんが、文中に多くの句が引用されていますので、作品世界を知る手がかりになっていると思います。
第672号は生駒大祐さんと藤田哲史さんの第一句集W出版記念。『水界園丁』『楡の茂る頃とその前後』どちらも今年たいへん話題になった個性的な句集です。お二人の競詠と短文、「句集を読む」が掲載されています。
連載継続している「空へゆく階段」。第669号の№24 <書評 山の人生 前登志夫『吉野日記』>では、俳句の範囲を越え、文章というものへの裕明の対峙の仕方に触れることができます。
文章がたいへんな速度でものの本質にせまると言ってもよいがそれは文章自身がすぐれてリトリカルであるからにちがいない。
『汗の果実』も今年話題に多く上がった句集です。後篇のてふこさんへのインタビューは4月に続きます。
また同号より西村麒麟【僕の愛する俳人】の連載がスタート。西村麒麟さんは俳句について書かれるとき、対象に対する愛を公言してはばからないのが素晴らしいです。
他にもこの期間、以下の俳句作品をお寄せいただきました。週俳当番として、作り手との新たな出会いをいつも模索しています。
第665号 山本真也 マジカル・ミステリー・ジャパン・ツアー 10句
第668号 細村星一郎 もしかして 10句
第669号 田口茉於 横顔の耳 10句
第670号 ■前田凪子 新都心 10句
第671号 ■森羽久衣 風の日は 10句
第674号 ■大野泰雄 コロナ裏仮面 10句
第675号 ■龍翔 放し飼ひ
第668号 細村星一郎 もしかして 10句
第669号 田口茉於 横顔の耳 10句
第670号 ■前田凪子 新都心 10句
第671号 ■森羽久衣 風の日は 10句
第674号 ■大野泰雄 コロナ裏仮面 10句
第675号 ■龍翔 放し飼ひ
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