2018-10-21

多摩川 西村麒麟✕福田若之 平井照敏編『現代の俳句』を語る 6/8 『現代の俳句』が漏らした作家・その3 八田木枯

多摩川 西村麒麟✕福田若之 平井照敏編『現代の俳句』を語る
6/8 『現代の俳句』が漏らした作家・その3 八田木枯



【言及作家・言及句】
洗ひ髪身におぼえなき光ばかり    八田木枯
荷風忌のラインダンスのうねりかな
死なない老人朝顔のうごき咲
冬ふかし柱が柱よびあふも
春を待つこころに鳥がゐてうごく
寒鯉の頭のなかの機械かな
黑揚羽ゆき過ぎしかば鏡騒
盆踊佃はいまも水まみれ
子どもには子どもが見えて秋のくれ
死ねばすぐ大むらさきともつれたく
生きてゐるうちは老人雁わたし
むさし野は男の闇ぞ歌留多翔ぶ
誰の忌ぞ雪の匂ひがしてならぬ
  ●
曲ることなき毒消売の道     加倉井秋を
月光に掻き鳴らすギターは出鱈目
弟酔へばねずみ花火の真似をする
炎天や口から釘を出しては打つ
初夢にドームがありぬあとは忘れ
  ●
凍死体海に気泡がぎつしりと   表鷹見
死にたくも泳ぎの手足動くなり
いま人が死にし畳に蝶死ねり
父の葬列父の青田の中通る
  ●

0 comments: