多摩川 西村麒麟✕福田若之 平井照敏編『現代の俳句』を語る
6/8 『現代の俳句』が漏らした作家・その3 八田木枯
【言及作家・言及句】
洗ひ髪身におぼえなき光ばかり 八田木枯
荷風忌のラインダンスのうねりかな
死なない老人朝顔のうごき咲
冬ふかし柱が柱よびあふも
春を待つこころに鳥がゐてうごく
寒鯉の頭のなかの機械かな
黑揚羽ゆき過ぎしかば鏡騒
盆踊佃はいまも水まみれ
子どもには子どもが見えて秋のくれ
死ねばすぐ大むらさきともつれたく
生きてゐるうちは老人雁わたし
むさし野は男の闇ぞ歌留多翔ぶ
誰の忌ぞ雪の匂ひがしてならぬ
●
曲ることなき毒消売の道 加倉井秋を
月光に掻き鳴らすギターは出鱈目
弟酔へばねずみ花火の真似をする
炎天や口から釘を出しては打つ
初夢にドームがありぬあとは忘れ
●
凍死体海に気泡がぎつしりと 表鷹見
死にたくも泳ぎの手足動くなり
いま人が死にし畳に蝶死ねり
父の葬列父の青田の中通る
●
2018-10-21
多摩川 西村麒麟✕福田若之 平井照敏編『現代の俳句』を語る 6/8 『現代の俳句』が漏らした作家・その3 八田木枯
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