2021-12-26

【2021年週俳のオススメ記事 7-9月】 those lazy hazy crazy days of summer 西原天気

【2021年週俳のオススメ記事 7-9月】
those lazy hazy crazy days of summer

西原天気


この夏の世の中的なトピックは、コロナ禍での東京五輪断行(7月23日~8月8日)でしょうか。ほんの半年前のことなのに、はるか遠い昔のことのようです。私自身は呑気にテレビで観戦していました。で、新規感染者数の推移を調べてみると、7月1日が1742人。落ち着きを見せた時期で、その後、8月に急増。8月20日には25975人を数え、その後、また減少。9月30日には1567人。そんななか(どんななかだ?)週俳は粛々と更新を重ねたわけですが、まず、7月最初の号では、湊圭伍「あまがみ草紙」10句。川柳句集『そら耳のつづきを』を上梓されたばかりの作者、個人的には、かつての名義、湊圭史で執筆された関悦史論「《現実界(レエル)》のほかに俳句なし」(『新撰21』所収)の印象が強烈に残っています。未読の方はぜひともご一読を。閑話休題、この連作の掉尾は《はあローストビーフ来い》と、なかなかの奇作(個人的見解です)。

第742号(7月11日には、上田信治の「成分表」が2本。この、俳誌『里』での長期連載は、近いうちに単行本として刊行される模様。たのしみです。

第744号には、岡村知昭「平均台上の何者 松本龍子句集『龗神』の一句」。句集レビューの寄稿はいつでも大歓迎です。

この時期、俳句作品・川柳作品の掲載は少なかったものの、第747号に、西原天気「一本の管 『月犬句集 参 火の匂ひ/迷はぬ馬/マンドリン』の一句」第749号に、小野裕三「人間の暗がりから世界を見る 照井翠句集『泥天使』を読む」と、第753号に、安田中彦「堀田季何『人類の午後』雑感」と、句集レビューを掲載。〈読む〉をだいじにする週俳のスタンスは不変。

第750号には、「高柳克弘さんへの10の質問」。このシリーズは久しぶりで、「ドライトマトが俳句で、トマトジュースが散文」という喩えは、いま読んでも素敵です。


なお、7月から9月のこの時期、田中裕明「空へゆく階段」を不定期に掲載。対中いずみさんには今年もたいへんお世話になりました。

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