2021-12-26

【2021年週俳のオススメ記事 1-3月】俳句の可動域 岡田由季

 【2021年週俳のオススメ記事 1-3月】

俳句の可動域


岡田由季

2021年の新年詠は、曜日の都合上、第715号第716号に分けての掲載になりました。2022年もそのパターンになりそうです。多数のご参加をお待ちしています。


この時期は、東京や大阪はほとんど緊急事態宣言下でした。もっとも2021年は緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」でない時の方が少なかったのですが。リアルの句会などの活動も、ずいぶん制限されたことと思います。


そんな2021年最初の10句作品は、第717号の 木田智美 ひろく凍つ。木田智美さんは4月に句集『パーティは明日にして』を上梓されました。


第718号の 本の署名を考える 四ッ谷 龍 は、句集などの署名にまつわる楽しい記事です。署名にまつわる諸々の豆知識も得ることができます。


「大きな言葉の定義を考えるのが、趣味。」という冒頭の一文驚きました。私などは大きな言葉、抽象的な言葉が苦手で、できれば考えずに済ましたいと思ってしまうからです。この文の中でなされている、いくつかの言葉の定義、私は納得しがたいものもあるのですが、定義ってそういうものかもしれませんね。違いを認識するだけでも面白いので読んでみてください。


第723号には 読み応えのある「句集を読む」が二本掲載されています。

「鴇田句を解くには、一語、一字の背後に隠され構成されている幾つかの事象を読み取らなければならない。それらを読み解いてゆけば、意外と繊細な描写がなされている事に気づく。透ける部分の描写、とでも言おうか。」

「藤田は、切字、文語、取り合わせを使わずに、 現代(日常)語と「感覚の隔たった」日本語の十七音を作り、それを、近現代の俳句の残した可能性を受けとる「器」にしようとしているのだ。」

句集『楡の茂る頃とその前後』については、作者の藤田さん自身による 「あとがき」のかわりに」も寄せられています。


第724号 10句作品は 篠崎央子 猫の貌。篠崎央子さんは本年、俳人協会新人賞受賞・星野立子新人賞を受賞されました。

同号に 津川絵理子インタビュー 虫の機嫌 岡田が聞き手を務めました。俳句作品とは違う側面から、津川絵理子さんのすごさを感じていただければ幸いです。


「三冊の句集のこと」として、前記の『楡の茂る頃とその前後』を読む、の続きの記事になります。
「~この二句の、詩想が動くに任せたような言葉の跳ねかたを、自分はひじょうに楽しんだ。作者は、自分の俳句の可動域をひろげることについて、意識的だと感じる。」


上記で触れた以外に、この期間には下記の10句作品と、多くの「俳句を読む」の記事をお寄せいただきました。ありがとうございました。







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