【2022年週俳のオススメ記事 10-12月】
目移りの果に
岡田由季
毎年末、この「今年の週俳のオススメ記事」を当番で分担して書くのですが、本を片付けているときについ読み始めてしまうのと同じで、あちらの記事・こちらの記事と目移りし、捗らないことこの上ないです。
当番としては、記事が少なめだったという印象でも、振り返ってみるとそれなりに読むものはあり、毎週の積み重ねとは侮れないものだと感じます。
この期間、宮本佳世乃さんによる句集評が集中して掲載されています。「炎環」誌からの転載をしたもので、初出時の新刊句集を対象としています。具体的な句をあげて、平明な文章で書かれているので読みやすいです。
第806号 源氏の恋その他 太田うさぎ句集『また明日』
第807号 太く強く 石牟礼道子全句集『泣きなが原』
第809号 鍵和田秞子『火は禱り』を読む
第810号 理知的かつあたたかい 飯田晴『ゆめの変り目』
第811号 閉まることのない穴 山田耕司『不純』
第812号 生活感 石田郷子『草の王』
第813号 宇多喜代子『森へ』を読む
第812・第814号では、柳俳合同誌上句会が開催されました。
現在でも面白顔ぶれですが、5年後・10年後に振り返ってみると、また別の趣があるかもしれません。
第813号では、日向美菜さんの10句作品、「皿の裏」
この期間の10句作品は、この一回のみでした。来年はもっと多くの作品が掲載できるようにしたいと思っています。
第814号には、小特集「俳句ロボットとAI俳句」。
AI俳句については、AI一茶君への注目、川村秀憲・大塚凱『AI研究者と俳人 人はなぜ俳句を詠むのか』の出版もあり、話題に上がることの多い一年でした。
第816号の
も合わせてご覧ください。
第814~第816号に、角川俳句賞落選展の代わりに、8組の作品50句が掲載されました。例年と違うかたちでの掲載になったことについては、下記に言及がありますのでご参照ください。
第817号の ■『ゴリラ』読書会 第3回 11号~15号を読む〔前篇〕
今回の読書会では各人の毛呂篤五句選が語られています。個人的な話で恐縮ですが、私は毛呂篤という俳人を週刊俳句で知ったので、この記事を読んで感慨深いものがありました。(そのときのことを2011年ウラハイに書いていました)
ゴリラ読書会メンバーの毛呂篤五句選を見ると、「ゆらり」「ぶらんとして」「泡」など、無常を感じさせる言葉が多く使われていることが印象的でした。
ともあれ、来年も、週刊俳句をよろしくお願いいたします。
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